演題募集(公募)
演題募集期間
2025年4月1日(火)正午~ | 5月15日(木)正午 |
応募資格
日本国内の施設に所属している方については、共同演者を含む全員が本学会会員であることが必要です。
非会員の方は演題登録時までに必ず日本臨床外科学会へ入会してください。
ただし、「研修医セッション」の筆頭演者は必ずしも本学会員に限りません。
※共同演者は本学会会員であることが必要です。
入会および会費納入に必要な書類は日本臨床外科学会事務局にお問い合わせください。
オンラインでの入会登録は以下のボタンから行ってください。
(入会申請中のときは「会員番号」欄に999999と入力してください)
※会員番号が6桁に満たない場合は、先頭(左)に「0」を追加し6桁で入力ください。
お問い合わせ先
日本臨床外科学会事務局
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-6-9 ロックフィールドビル8階
TEL:03-3262-1555 FAX:03-3221-0390
応募方法
演題登録はホームページからのオンライン登録による応募のみとなります。
募集カテゴリー
募集カテゴリーについては下記をご参照ください。
※趣旨をクリックすると詳細をご覧いただけます。
◆特別企画
01-03 外科医不足を乗り越えるために 一部公募
「心」— 外科医としての使命感や魅力を次世代に伝える教育・キャリア支援策
「技」— AI・ロボット支援手術の活用やタスクシフティングなど技術革新による負担軽減
「体」— 適正な勤務環境整備や働き方改革による持続可能な外科医療体制の構築
近年、外科医の減少が社会的な問題として注目されているが、実態にどの程度減少しているのか、また、その要因は何かを正確に把握することが重要である。外科専門研修プログラムの応募者数は、2021年923人、2022年856人、2023年840人、2024年814人と減少傾向にあったが、2025年には872人と増加に転じた。本セッションでは、この変化の背景を分析し、外科医不足の現状とその要因を「心・技・体」の視点から議論して頂きたい。
04 魅力的な外科とするため -多くの若者が外科医を希望するために必要な施策-一部公募
深刻な外科医不足を打開するために各学会、各教育施設は様々な取り組みを行っているが、外科医の減少は続き今後さらに社会問題になることが想定される。今後、医学生・研修医に魅力的な外科となり、一人でも多くの若者外科医を育成するために、何が必要であろうか。本セッションでは、医学教育、働き方改革、ダイバーシティ、地域格差などの様々な観点から、これからの外科に必要な施策を論じていただきたい。若手外科医のアイデア、参加に期待する。
05 消化器外科医に必要な働き方改革とは? 一部公募
外科医の減少に伴い、外科医を志望する若手医師の獲得と育成が急務となっている。一人前の外科医になるには年月を要するが、そこ至るまでに手術、病棟業務、急変対応に加え、当直や書類作成など過剰な業務により、心身が疲弊し、一人前の外科医に成長する前に外科医の道をあきらめてしまうケースも珍しくない。若手外科医の心身を持続的に健全に保つことためには、持続可能な働き方改革が必要である。本セッションでは、各施設における働き方改革の目的と方策、成果を発表していただき、目指すべき働き方改革の姿について議論して頂きたい。
06 チーム医療による外科医師の働き方改革へのマネジメント 一部公募
2024年4月からの医師の働き方改革の導入に伴い、各施設で様々な改革/改善が図られてきたと思われる。その実行のため、外科医が関わる現場でも、手術・病棟管理・医療連携業務などで多くの病院関係者のサポートが必要であったと考える。働き方改革から1年経過した時点で、医師、看護師、理学療法士、臨床工学士、放射線技師、医療事務等などの異なる立場の方から、臨床外科領域における働き方改革導入後の良かった点、困った点などを含めた現場の「生の声」を発表していただき、より良い外科医療を実現するための今後の課題とそれに対する具体的な対応策を考えてみたい。
07 働き方改革と外科医療:柔軟な働き方の実現に向けて 一部公募
外科医の過酷な労働環境は、働き方改革の中で大きな課題となっている。このセッションでは、外科医療における働き方改革の現状と、外科医が柔軟な働き方を実現しながらも質の高い医療を提供するための取り組みを紹介する。シフト制やチーム医療の導入、テクノロジーを活用した効率化など、具体的な改革の成功事例を通じて、外科医療の未来を展望する。
08 女性外科医のキャリア形成における「心・技・体」 一部公募
外科医としてのキャリアを築く上で、「心・技・体」の調和は不可欠である。「心」では、自己成長への意欲とリーダーシップの確立が重要であり、チーム医療における円滑なコミュニケーションが求められる。「技」では、高度な手術技術の習得と、最新医療の知識を継続的に学ぶ姿勢が鍵となる。「体」では、長時間の手術に耐えうる体力とメンタルヘルスの維持が必須である。本演題では、女性外科医が持続可能なキャリアを築くための戦略について考察する。
09 デジタル手術記録の未来〜DX時代の業務効率化と教育改革〜 一部公募
近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、臨床現場におけるデータ収集や活用方法の整備がなされている。外科領域における手術記録と各種データベースとの連結は、業務効率の向上だけでなく、外科医教育の革新にも寄与する。本セッションでは、デジタル手術記録の最新動向や、効率的な記録管理、教育への応用について議論する。DX時代における手術記録の未来像を探り、今後の医療現場への実装と課題について考察していただきたい。
10 外科教育再考:”心・技・体”を育む新たな指導のかたち 一部公募
外科技術の高度化や働き方改革などにより、外科教育の急速な革新が求められている。シミュレーション教育など効果が実証されている教育手法は存在するものの、それらを十分に活用できる施設は限られているのが現状である。さらに、外科指導医自身が教育法を学ぶ機会が少なく、効果的な指導方法を体系的に習得できる機会が限られている。
外科志望者の顕著な減少も深刻な課題である。女性医師の割合が増加する中、医学生・研修医が性別に関係なく外科医としてのキャリアを選択したくなるような、魅力的な外科教育を提供する重要性が高まっている。
本セッションでは、これらの課題に対する先進的な教育の実践事例をご発表頂きたい。さらに、スマートフォンを活用した参加型総合討論を通じて、全国の施設で実践可能な教育改革の具体策について議論を深めたい。
11 外科領域における男性育休推進 —課題と解決策を探る— 一部公募
近年、ダイバーシティ推進の一環として、男性の育児休業取得が注目されている。育児・介護休業法の改正により、男性も仕事と家庭を両立しやすい環境が整備されつつあり、男性育休取得率は2019年の7.48%から2023年度には30.1%へと急増した。しかし、外科領域では依然として育休取得が進みにくい状況にある。職場の風土、人手不足、キャリアや収入面への不安などが障壁となり、他職種に比べて浸透が遅れているのが現状である。外科領域に男性育休を推進するには何が必要なのか。課題と解決策について討論していただきたい。
12 AEGIS-Womenプレ10周年記念企画「外科医の多様性が未来を創る:新しいリーダーシップとジェンダー平等への挑戦」 指定
近年、外科医療における多様性やジェンダー平等の重要性が、医療の質や組織の持続性の観点からも広く認識されるようになってきた。とはいえ、依然としてリーダーシップポジションにおける女性や多様な人材の登用は限られており、制度的・文化的な壁はなお根強く残されている。働き方や価値観の変化に伴って外科医のなり手が減少する中、誰もが能力を発揮できる柔軟で開かれた環境の整備は、外科医療の持続可能性を支える鍵となるのではないだろうか。本セッションでは、ワークライフバランスの確保やキャリア形成支援の在り方といった課題を共有しながら、新しいリーダー像とは何か、また多様な視点や経験を活かす組織文化とはどのようなものかについて、実践的な知見も交えて多角的に議論していただきたい。
13 未来の外科医教育やリクルート戦略 一部公募
慢性的な外科医不足が深刻な問題となる中、若手外科医のリクルートは外科全体の課題である。医学生から研修医、外科専攻医に至るまで、さまざまな立場の若手医師・医学生が臨床の場に足を運んでいるが、必ずしも全員が充実した教育を受け外科への興味を示す若手ばかりではない。「外科は3K」といった古いイメージが未だに医学生や研修医の間に残っていることもある。
本セッションでは、医学生や研修医に外科への興味を喚起するためのリクルート戦略、また若手外科医への手術教育の工夫や課題について提示していただく。そして、今後の外科医教育の在り方について議論を深め、全国的な外科医不足解消の一助としていただきたい。
14 外科医療におけるメンタルヘルスの重要性 一部公募
外科医療は高い技術力と迅速な判断が求められる一方で、長時間労働や緊張の連続により、外科医のメンタルヘルスへの影響が懸念されている。バーンアウトや抑うつが患者安全にも影響を及ぼすことが報告されており、持続可能な外科診療には精神的健康の維持が不可欠である。本特別企画では、外科医のメンタルヘルスの現状と課題を明らかにし、実効性のある対策や支援策について、多角的に議論する場を提供する。
15 急性腹症診療ガイドライン2025 発刊後の評価と次回改訂版に期待すること 指定
急性腹症診療ガイドラインの初版が発刊されてから約10年が経過した。初版発刊以降、超音波検査の普及や教育機会の充実といった目標に対する課題が指摘されてきたため、2025年改訂版では、これらの課題に対応するため、医療現場での実践を重視し,さらに学習コンテンツの充実を図るために「シナリオ動画と確認チェックリスト」を新たに追加した。本セッションでは、改訂の要点に加えて、次回の改訂に期待することを論じていただきたい。
16 腸閉塞 新たなガイドライン作成を目指して 一部公募
腸閉塞は頻度の高い救急疾患であるが、本邦には腸閉塞に関する包括的な診療ガイドラインは存在せず、海外でも小腸閉塞については、World Society of Emergency Surgery (WSES) のBologna guidelinesが2017年に発刊されたが、これ以外に臨床で参考にされるようなものはない。本セッションでは、腸閉塞診療ガイドライン作成を見据えて、現在どのようなエビデンスがあるか、またどのようなエビデンスが必要であるかについて論じていただきたい。
17 外科系学会の連携と未来―専門領域を超えた融合の可能性 指定
外科系医療の進歩とともに、各専門領域の学会が果たす役割はますます重要になっている。本企画では、日本外科学会、日本呼吸器外科学会、日本乳癌学会、日本心臓血管外科学会、日本内分泌外科学会、日本臨床外科学会、および日本外科系連合学会の代表者が一堂に会し、学会間の連携と今後の展望について議論する。専門領域ごとの知見を共有し、教育・研究・診療の発展をどのように促進できるかを検討するとともに、外科系学会が協力して社会に貢献するための方策を探る。外科医療の未来を見据え、学会の垣根を越えた融合の可能性を議論して頂きたい。
18 地域から考える外科医療の未来―外科医師の偏在と教育体制の課題 指定
日本全国における外科医師の偏在は、地域医療の質や継続性に大きな影響を及ぼしている。本企画では、北海道、東北、関東、北陸、甲信越、東海、近畿、中国、四国、九州の日本臨床外科学会各支部代表者が集まり、各地域が直面する外科医不足の現状と課題について議論する。特に、若手医師の確保・育成、地域ごとの教育体制の違いなどに焦点を当て、今後の外科医療の均てん化と持続可能な教育体制の構築について具体的な対策を議論して頂きたい。
19 教授が語る - 忘れられない症例と外科医の原点 一部公募
教授陣にご自身の「思い出の症例」を紹介して頂く。
あえて経験豊富な教授が症例報告の発表者となることで、外科医としての原点回帰を促し、初心を振り返る機会にしたいと考えている。
長年の経験の中で特に印象に残った症例、手術技術の進化を実感した瞬間、若手時代の挑戦や苦悩などを共有することで、若手医師にとっては貴重な学びの場となるはずに違いない。
本企画が、世代を超えた交流の場となり、外科医としての情熱を改めて実感する場になることを願っている。
◆シンポジウム
01 高齢患者における術中・周術期管理の留意点と工夫 一部公募
近年、社会の高齢化が進む中で、治療対象となる患者層も高齢化しており、本邦のみならず国際的にも外科治療における重要な課題の一つとなっている。高齢患者における外科治療は、併存疾患の管理や栄養状態、身体機能や認知機能の低下といった特有の課題があり、術中および周術期の管理においては、細心の配慮と多職種による包括的な対応が求められる。
本セッションでは、われわれが直面する高齢患者の外科治療に焦点を当て、術前のリスク評価や合併症予防策、術後フォローアップや術後治療、多職種連携の課題等についても、多角的な視点から最新の知見を共有して実践的な議論をしていただきたい。
02 多領域におけるロボット支援下手術の課題とその克服に向けたアプローチ 一部公募
多領域におけるロボット支援下手術(ロボット支援手術、RAS: Robotic-Assisted Surgery)は、最近の医療技術の進歩により急速に普及しているが、更なる普及、新医療技術としての成熟化のためには、まだいくつかの課題が存在する。器具の制約、適さない術式、コスト問題、トレーニングと教育、適応拡大と限界など、それぞれの領域横断的に課題を整理し、その克服に向けたアプローチにつき共有することが重要であるため御討議頂きたい。
03 食道胃接合部がんにおける外科治療の最前線 一部公募
食道胃接合部がんは、その解剖学的位置から治療が難しいがんの一つである。本シンポジウムでは、食道胃接合部がんに対する最新の外科的アプローチを取り上げ、外科的切除範囲や郭清の適応、さらにロボットや腹腔鏡を活用した手術の現状について議論する。
04 ナビゲーション手術による胃癌手術の革新 一部公募
ナビゲーション手術は、術中にリアルタイムで精密な画像情報を提供し、外科医がより正確な操作を行えるようにする技術である。このシンポジウムでは、胃癌手術におけるナビゲーション手術の導入により、郭清精度の向上や合併症の軽減がどのように達成されているかを紹介する。さらに、この技術の未来的展望や普及に向けた課題についても議論する。
05 ロボット支援下手術全盛時代における腹腔鏡下大腸切除術の位置づけ 一部公募
全大腸癌の手術がロボット支援下で行える時代となり、ロボット支援下手術が浸透してきている。しかしながら、ロボットの導入台数や手術枠の問題から、すべての症例に対してロボット支援下手術を施行するのは困難である。ロボット支援下手術と腹腔鏡下手術の治療成績を比較して頂き、ロボット支援下手術を選択するメリットのある大腸癌について示していただきたい。そして、腹腔鏡下大腸切除術の行く末についても論じていただきたい。
06 肝門部領域胆管がんに対する集学的治療の重要性 一部公募
肝門部領域胆管がんに対する手術成績は、ハイボリュームセンターでは劇的に改善して来てはいるが、いまだチャレンジングな術式の一つである。その理由としては、術前から術後わたって、黄疸、胆管炎のマネージメント、解剖学的に肝門部の脈管構造が複雑であること、大量切除肝切除、膵頭十二指腸切除術合併の可能性、術後管理の困難さなどがある。現在では、FGFR阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬の使用も可能となって来ており、Conversion surgery症例も散見されるなど、更なる集学的治療が必要となって来ているため、その重要性につき御討議頂きたい。
07 低侵襲膵切除術の未来と展望 一部公募
ロボット支援膵切除は2020年4月に保険収載されてから4年が経過した。ロボット支援膵頭十二指腸切除および膵体尾部切除の普及を考えるうえで、コストに見合ったメリットが何処にあるのかは未だ明らかではない。低侵襲膵切除において腹腔鏡、ロボットはどのように使い分けるべきか。施設の低侵襲膵切除術の短期中期の手術成績からロボットの有用性のエビデンスと腹腔鏡手術との使い分けについて議論して頂きたい。
08 多領域におよぶ心臓・血管手術 一部公募
心臓血管外科は、5㎝を超える大動脈瘤からわずか1mmの冠動脈や四肢末梢の血管まで、全身の血管を治療の対象としている。そのため他領域の外科(消化器、呼吸器、泌尿器、女性診療科、整形外科など)と合同で手術を行うことも多い。本シンポジウムでは多領域におよぶ心臓・血管手術を安全に遂行するための各施設の工夫など議論していただきたい。
09 乳腺における腫瘍免疫のUp to date(基礎から臨床まで) 一部公募
免疫チェックポイント阻害薬が臨床に応用され、各種癌の予後改善に貢献している。がん微小環境における抗腫瘍免疫応答の研究がさらにすすめられることで、新薬の開発につながる可能性もあり、今後期待される分野である。腫瘍免疫に関して、基礎から臨床まで、幅広い話題について議論していただきたい。
10 高齢者甲状腺癌への治療戦略 一部公募
社会の高齢化に伴い、高齢者の甲状腺癌患者数も増加しているが、同時に様々な課題が浮上している。例えばハイリスクの甲状腺乳頭癌癌患者には甲状腺全摘術と放射性ヨウ素内用療法が基本とされているが、両側反回神経麻痺のリスクやADL低下などへの懸念から葉切除に留めてよいという報告もある。高齢者への根治的拡大手術や分子標的薬治療の是非、高齢者へのActive surveillanceの適応範囲などについても、各施設の方針を発表いただきたい。
11 門脈圧亢進症における外科治療戦略 一部公募
門脈圧亢進症に対する治療は内視鏡治療やIVRが主に行われるようになり、外科手術が行われる機会は少なくなった。しかしながら、内視鏡治療やIVRに難治性の食道胃静脈瘤や異所性静脈瘤および高度の脾機能亢進症、難治性腹水など、外科手術を必要とする症例は存在し、臨床医はその治療方法に難渋する。門脈圧亢進症の外科治療には個々の病態に対する門脈血行動態の理解や安全を担保した手術手技・周術期管理が必要とされる。本セッションでは、脾摘術、Hassab手術などの直達手術、各種シャント術、移植手術など様々な門脈圧亢進症に関する外科手術の治療戦略について、活発な議論をお願いしたい。また、各施設で取り組まれている門脈圧亢進症手術の治療手技や周術期管理の工夫を明示しつつ、討論していただくことを期待する。
12 腹壁ヘルニア手術における形成外科とのCollaboration 一部公募
腹壁の再建手術は、その複雑さから高度な外科的技術を要し、特に広範囲の組織欠損を伴う症例では形成外科との協力が重要である。形成外科の専門技術(皮弁形成やコンポーネントセパレーション法など)を活用することで、腹壁の機能的・審美的な修復が可能となり、手術成績の向上や術後合併症のリスク軽減が期待される。本セッションでは、実際のコラボレーションの事例を紹介しながら、外科と形成外科がどのように協働することで患者のQOL(生活の質)を最大化できるかを議論していただきたい。
13 腹部救急疾患に対する各大動脈遮断の適応と有効性 一部公募
近年、外傷だけでなく内因性疾患に対する蘇生的大動脈バルーン遮断(REBOA)が普及しているが、大動脈遮断には胸部大動脈遮断、腹部大動脈遮断などもある。内因性疾患を含めた腹部救急疾患において各種大動脈遮断をどのように使い分け、または併用するのかに関してコンセンサスが得られていない。腹部救急疾患に対するREBOAの適応、その他の大動脈遮断との使い分けや併用などについて議論していただきたい。
14 肺癌に対する集学的治療の現状と今後の展望 一部公募
免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬の進展により、肺癌の周術期治療は目覚ましい発展を遂げている。近年では、CheckMate816やKEYNOTE-671試験をふまえ、免疫チェックポイント阻害薬が術前治療にも適応拡大され、多くの肺癌症例に対して術前・術後補助療法として使用されるようになった。これにより、肺癌の治療成績の向上に寄与することが期待されている。一方で、周術期治療の変化に伴う手術手技の工夫、免疫関連有害事象(irAE)や長期成績、医療費負担など、依然として解決すべき課題が残されている。肺癌周術期治療の選択肢が広がりつつある中で、各施設における現状と今後の展望についての議論を期待したい。
15 外科医が行う基礎研究と臨床応用〜トランスレーショナルリサーチ編〜 一部公募
日々進化する外科診療において、基礎研究は新たな治療戦略の構築や疾患理解の深化に不可欠な役割を果たしている。本セッションでは、各分野の外科医が取り組む基礎研究と、その成果を臨床へと橋渡しするトランスレーショナルリサーチに焦点を当てる。疾患の発症・進展メカニズムの解明から、バイオマーカー探索、新規治療法の開発に至るまで、外科医ならではの視点と臨床的意義を持った研究を紹介し、臨床と研究の融合による今後の展望を共有する。
16 外科医が行う基礎研究と臨床応用〜外科侵襲学編〜 一部公募
外科医は手術という侵襲的な治療行為を認められた極めて特殊な立場にいる。そのため、外科臨床研究の根本には、いかに患者への侵襲を軽減し、かつ最大の治療効果を引き出すためにどのような工夫が可能か?という問いがあると考える。
本企画では、こうした外科医ならではの視点から生まれる基礎研究と、その臨床応用の最前線を共有する。外科臨床研究の課題や今後の展望について活発に議論していただきたい。
17 AYA世代の妊孕性温存について 一部公募
企画趣旨:AYA世代のがん診療においては、多職種での介入を要する。特に薬物療法を行う場合に問題となるのが妊孕性の温存である。病状によってはがんの告知の受容期間を十分に設けることができずに妊孕性の温存の希望の有無を考えてもらう必要があり、患者とその家族にとっては精神的な負担になる可能性がある。また、妊孕性温存を希望した場合には、地域によって助成制度が異なるものの、患者にとっては経済的な負担となる。医療者側にとっては、受精卵凍結や卵子凍結の施行が可能な婦人科との連携がスムーズに行える仕組みの確立が必要である。各施設における、AYA世代の妊孕性温存についての取り組みや課題の状況を共有し、よりよい医療の提供につなげていただきたい。
◆ビデオシンポジウム
01 食道癌ロボット支援手術の手技の工夫と治療成績 一部公募
食道癌に対するロボット支援手術は2018年4月より保険適用となり、手術数が急速に増加している。ロボット支援手術は、従来の胸腔鏡下手術に比べて、より精密で低侵襲な手術が可能となり、術後の合併症の減少に寄与する可能性が示唆されている。食道学会に対するロボット支援手術の技術的な工夫についてビデオにて供覧いただき、長期的な成績や合併症の発生率、再手術の必要性等について発表いただきたい。
02 ロボット支援胃切除術におけるトラブルシューティングとその解決策 一部公募
ロボット支援手術は高度な精度を提供する一方で、技術的な問題や予期せぬトラブルに直面することがある。本セッションでは、ロボット支援胃切除術中に発生する可能性のある典型的なトラブルを紹介し、それに対する迅速かつ効果的な対応方法を議論する。参加者は、これらの問題を早期に発見し、適切な対策を講じることで、手術の成功率と患者の安全を向上させるための知識を習得する。
03 下部直腸癌に対するTMEと直腸切離・吻合のコツ 一部公募
下部直腸癌に対するTME、自律神経温存と低位、特に肛門管上縁での直腸切離・吻合は視野が狭く、難易度が高い手技である。これらの手技を安全に、円滑に行うための手術手順、術野展開、コツや工夫している点について手術動画を供覧しながら議論を深めたい。
04 腹腔鏡下肝切除が有効と考えられる術式と教育の再考 一部公募
現在、本邦においてロボット支援下手術が急速に普及し、その有用性が数多く報告されている。そのテクノロジーの高さと操作性、術野の安定性、視野の精細性などから、腹腔鏡下手術を凌駕する手術法であるとの論法も多くあるが、現時点では、腹腔鏡下手術の方が有効である術式が肝切除手術には存在すると考えられる。また、教育においても、腹腔鏡手術ならではの得られる知見も多くあると思われるため、それらにつき、手術ビデオを提示して御討議頂きたい。
05 腹腔鏡下胆嚢摘出術における胆管損傷を予防するための治療戦略 一部公募
腹腔鏡下胆嚢摘出術における胆管損傷の予防には、CVSの確保やICGの活用など様々な方法が報告されている。また、急性胆嚢炎でのBailout procedureの普及も、胆管損傷の予防に大きな効果をもたらしている。
腹腔鏡下胆嚢摘出術における胆管損傷を予防するための治療戦略を再考すべく、各施設での胆管損傷予防の工夫を提示していただき、活発な議論を期待したい。
06 乳癌オンコプラスティックサージャリーについて 一部公募
原発性乳癌の根治性と乳房の整容性を両立させることで、乳癌患者の精神的な負担を軽減することができる。乳輪乳頭温存乳房切除術や皮膚温存乳房切除術、自家組織再建やシリコン乳房インプラントによる乳房再建があり、それぞれメリット、デメリットがある。各施設でさまざまな工夫がされており、ビデオシンポジウムを行うことでより多くの施設で多くの乳癌患者の診療に役立てることを目的とする。
07 腹壁瘢痕ヘルニアの治療戦略-こだわりとエビデンスから考えるベストプラクティス- 一部公募
腹壁瘢痕ヘルニアの治療は、その複雑さや再発リスクの高さから、外科医にとって大きな課題である。手術方法やメッシュの使用法、術後の管理に関しては、個々の医師のこだわりに基づく選択が多く見られる一方で、近年では治療の標準化に向けたエビデンスの積み上げが進んでいる。こだわりとエビデンスがどのように共存し、患者に最も良い結果をもたらすのか、現場の意見を交えながら未来の治療方針を模索する場とする。
08 気管支断端瘻の予防や治療戦略 一部公募
肺切除後の気管支断端瘻は、しばしば急性期において重篤な病態を引き起こし、迅速かつ適切な対応が求められる重要な呼吸器合併症である。治療に難渋するケースも多く、治療戦略には、各症例の患者背景、さらには施設の考え方や経験が大きく影響すると思われる。このため、気管支断端瘻の予防と治療戦略は呼吸器外科分野での重要な課題の一つであり、長年にわたり多くの工夫と研究が積み重ねられてきた。
本セッションでは、気管支断端瘻の予防策としての手技的な工夫や、リスク因子の事前評価に基づく対策に加え、気管支断端瘻に対する治療戦略についてもご紹介いただく。さらに、各施設におけるアプローチの違いも考慮しながら、実際の症例を交えた議論を通じて、今後の気管支断端瘻治療の治療戦略の方向性を共有したいと考えている。
09 ロボット支援・腹腔鏡下鼠径部ヘルニア修復における術者のこだわり 一部公募
ロボット支援・腹腔鏡下の術式を問わず、術中の操作や判断の積み重ねが、鼠径部ヘルニア修復術の完成度を左右する。術者の経験や哲学に基づく“こだわり”が、術後成績にどう影響するかを可視化することは、技術の共有において極めて重要である。本セッションでは、各術者が重視する工夫に注目し、術中映像を交えて議論を深めていきたい。
◆パネルディスカッション
01 ロボット支援下手術の課題と展望 一部公募
ロボット支援下手術は、3次元の拡大視野や多関節アームを活かした操作性など従来の鏡視下手術よりも複雑・繊細な操作を可能とするアプローチとして期待されている。近年、診療報酬の改訂に伴い外科領域でもロボット支援下手術の導入施設が増加している。一方で、機器本体や鉗子類のコストが高い、触覚がない、緊急時の対応がしづらいというデメリットも無視できないところである。
本セッションでは、ロボット支援手術の利点だけでなく、各施設での導入の際の工夫や導入後の問題点、ならびに教育・コストの課題にもスポットをあてて頂き、これからのロボット支援下手術の展開について発表していただきたい。
02 LECS(腹腔鏡内視鏡合同手術)の適応拡大とその課題 一部公募
LECSは、胃腫瘍や消化管疾患に対して低侵襲で精密な手術を提供する技術だが、その適応拡大には課題が残されている。このディスカッションでは、LECSの現状とその適応拡大の可能性、特に良性疾患や早期癌における有効性について議論する。また、技術的な限界や導入に伴うコストと普及に向けた課題も検討する。
03 食道手術における合併症回避の工夫 一部公募
食道に対する外科的治療は、食道の解剖学的特性や広範囲に及ぶ手術領域などから様々な合併症を生じるリスクが存在する。食道の悪性・良性疾患を問わず、食道疾患に対する合併症回避のための各施設での工夫・ポイント・取り組みなどをについて議論いただきたい。
04 食道胃接合部癌に対する再建手技の工夫 一部公募
食道胃接合部癌の再建方法には、空腸間置、上川法、SOFY法などの様々な吻合法が試みられている。いずれの再建法にも利点や欠点があるため、どの再建方法が最適なのかについては一定の見解は得られていない。各施設での経験や治療成績をもとに、再建方法の選択基準や手術技術の工夫、術後管理のポイントなどについて議論いただきたい。
05 直腸癌に対する術前治療の功罪 一部公募
本邦では直腸癌の標準治療はupfront surgeryであるが、Total Neoadjuvant Chemotherapy等の術前治療の有用性の報告も増えてきた。一方で術前治療による弊害も懸念されている。さらには、術前治療の効果判定法には統一されたものがなく、それぞれの治療法の比較も十分に行われていない。本セッションでは、様々な視点から直腸癌術前治療の功罪について議論を行っていただきたい。
06 大腸癌Precision Medicineの可能性と問題点 一部公募
進行大腸癌の治療を行う際には、RAS・BRAF遺伝子変異やMicrosatellite instabilityを調べることが推奨されるようになり、さらにはメチル化やcirculating tumor DNA (ctDNA)等のバイオマーカー検査により治療選択が行えるようになってきた。しかし、検査法が標準化されていないものも多く、またそれぞれの検査には検査特有の問題点があることも指摘されている。本セッションでは、様々な視点から大腸癌Precision Medicineの可能性と問題点、およびその解決法を提示していただきたい。
07 肛門温存を目指した下部直腸癌に対する手術戦略 一部公募
下部直腸癌では、腫瘍の大きさ、深達度、肛門からの距離によって、肛門温存手術の難易度が変わってくる。そして、肛門温存手術では術後の肛門機能低下が問題になる。肛門温存手術のアプローチ方法として、開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術、経肛門手術(Ta-TME)などがある。または、腫瘍の縮小を目指した術前治療がある。各施設における肛門温存を目指した下部直腸癌の手術戦略と肛門温存手術の適応について論じていただきたい。
08 肝細胞癌におけるBorderline Resectableとは? 一部公募
既に膵臓がんの領域では、Borderline resectableの概念が確立され、外科医、内科医、放射線科医などとの共通の分類が出来たことで、その治療法の決定などに効果をもたらしている。肝細胞がんに対しても、同様な分類が出来ることが望まれるが、治療法が多岐にわたり、進行した肝細胞がんに対する外科治療の有効性の報告も散在するため、より複雑となる。一方で免疫チェックポイント阻害薬など薬物治療が発達してきており、Borderline resectableの考え方が重要視され、既にプロジェクト報告もされている。それらも踏まえて、現時点における肝細胞癌におけるBorderline Resectableについて御討議頂きたい。
09 肝予備能評価法の再考と術後患者回復も考慮した新しい肝予備能評価の検討 一部公募
肝臓手術前の肝予備能評価では、約40年前に提唱された幕内基準がいまだ一般的であり、本邦の肝臓切除後の良好な成績を担保している。現在、インドシアニングリーン(ICG)を用いたICGR15値だけでなく、ICGK値、ICGKrem値、アシアロシンチグラフィーなども重要な術前肝機能評価法となっているが、術後の患者回復をも予測するための新しい評価方法が模索されている。ますます高度化し、安全性が重要視されていく肝臓手術の肝予備能評価法につき既存のものと新しい評価法につき御討議頂きたい。
10 最新の膵切除術後の合併症対策 一部公募
周術期合併症が比較的高頻度な膵手術においては、合併症を起こさないための術前・術中の工夫や、発生した合併症に対しての対策について種々の報告がなされてきた。最新の膵手術の合併症の防止および対策に関わる臨床研究について議論して頂きたい。
11 腹部大動脈瘤破裂に対する治療戦略 一部公募
腹部大動脈瘤破裂は、多くの患者が病院に到着する前に死亡しうる重篤な救急疾患である。直ちに開腹による人工血管置換もしくは血管内ステントグラフト内挿術を行う必要があるが、救命率向上のための各施設の工夫や取り組みを論じていただきたい。
12 センチネルリンパ節転移陽性における治療戦略(腋窩郭清と放射線照射について) 一部公募
術前評価で腋窩リンパ節に転移がない場合、センチネルリンパ節生検を行い、センチネルリンパ節生検で転移があれば腋窩郭清をしてきた。しかしセンチネルリンパ節に転移を認めていた場合でも腋窩郭清を省略可能かどうか議論されている。腋窩郭清をするよりも腋窩を含む領域リンパ節への放射線療法のほうがリンパ浮腫のリスクは低く、現在は微小転移であれば腋窩郭清を省略して放射線治療をすることが推奨されている。現在のガイドラインでは2mmをこえるマクロ転移では放射線照射を行い、適切な術後薬物療法を行うことを前提に腋窩郭清を省略することを弱く推奨しており、議論の余地がある。
13 甲状腺内視鏡手術の研修ガイドライン制定後の現状と課題 一部公募
甲状腺・副甲状腺内視鏡手術の施設認定取得のためには、良性疾患5例、悪性疾患3例の術者経験を持つ常勤医の配置が必要とされており、適正な必要症例の研修を行うための研修ガイドラインが、2022年に日本内分泌外科学会により制定された。これにより、新規導入施設は、自施設への指導者招聘、または受入れ可能な施設への短期留学のいずれかの方法で研修を行うことが定められた。ガイドライン制定後の研修がどのように実施されているのか、その現状や課題はどうか。研修を行う側の指導医、研修を受ける側の新規導入施設、両者からの視点で議論していただきたい。
14 胆嚢癌疑い症例に対する治療戦略 一部公募
胆嚢癌に対する根治術式は、進行度によって単純胆嚢摘出術から肝拡大切除、肝膵十二指腸切除のような高侵襲手術まで多岐に及ぶ。我々消化器外科医は、胆のう癌と胆嚢良性腫瘍の鑑別に悩む症例に、日常の臨床で頻繁に遭遇る。
胆嚢癌疑いの診断で治療を要する症例は多く、その治療戦略をどのように決定するかは、各施設の判断となることが多い。本セッションでは、胆嚢癌疑い症例に対し、各施設での診断の工夫や、その肝切除範囲、リンパ節郭清、胆道再建の適応について議論したい。
15 ロボット支援下ヘルニア手術が保険収載されるために必要なこと 一部公募
ロボット支援下ヘルニア修復術は、従来の腹腔鏡手術と比較して視認性や操作精度が高く、本邦でも導入する施設が増加してきている。しかし、日本国内での普及をさらに促進するためには、保険収載が不可欠である。本企画では、ロボット支援下ヘルニア手術の保険適用に向けた課題を明確化し、そのために必要な臨床データの収集や安全性・有効性の検証、費用対効果の分析、そして他国の導入事例を参照しながら、収載に向けた具体的なアプローチを議論していただきたい。
16 腹部救急診療におけるHybrid Emergency Room System (HERS)の適切な利用・導入に向けて 一部公募
近年、同一寝台上でCT撮像やIVR、手術が可能なHybrid Emergency Room System (HERS)は日本に普及してきている。当初は外傷診療から始まったが、大血管疾患の治療や死線期帝王切開等の腹部救急診療において、施設ごとに様々な取り組みが実施されている。
各施設におけるHERSの腹部救急診療への取り組みや、有効利用について報告いただきたい。
17 ロボット支援手術の教育と普及:若手外科医の育成に向けて 一部公募
ロボット支援手術は外科医療に革命をもたらしているが、その技術を習得するためには効果的な教育とトレーニングが必要である。このパネルディスカッションでは、若手外科医がロボット手術を学ぶための教育プログラムやトレーニング方法、シミュレーション技術を活用した育成方法について議論し、ロボット手術の普及に向けた取り組みを検討する。
18 消化器外科手術における筋膜縫合閉鎖 一部公募
消化器外科手術は創汚染、低栄養などの創傷治癒を妨げる因子が重複しやすく、手術部位感染や腹壁瘢痕ヘルニアをはじめとする創部合併症が一定の頻度で発生するため、より確実な閉腹操作が求められる。また、Damage Control Surgeryを含む緊急手術では定型的な閉腹が行えない症例も少なくない。閉腹は外科医の基本技術である一方でその手技や使用する縫合糸の選択には施設間でばらつきがあり、近年は抗菌縫合糸やknotless suture、陰圧閉鎖療法などが普及したことで選択の幅も広がっている。手技の工夫に加えてこれらのデバイスを適切に使用することで合併症を減らせる可能性があるが、現時点での最適解は確立されていない。本セッションでは待機手術、緊急手術を問わず広く消化器外科手術の筋膜閉鎖における各施設のこだわりを共有いただき、合併症を予防するための令和のベストプラクティスを再考する。
19 直腸癌手術後の縫合不全対策としての吻合部補強縫合 一部公募
直腸癌手術後の縫合不全は、最も重大な術後合併症の一つであり、その対策は下部消化管外科医にとって長年の課題である。縫合不全の原因は患者要因と手術要因が考えられるが、高齢化社会の進行に伴い、臓器機能の低下や栄養状態の不良を伴う高齢直腸癌患者が増加しているのが現状で、ときに致命的となりうる。さらに、術後の縫合不全は長期予後にも影響を及ぼすため、各施設で発生率をゼロにすることを目指した様々な対策が講じられている。
これまで、DST吻合部の補強が縫合不全率の低下に寄与することが報告されており、一部の施設ではルーチンの手技として取り入れられている。またTaTMEの普及に伴い、SST吻合部の経肛門的補強の有用性も示唆されている。
本セッションでは、低侵襲直腸癌手術における周術期の縫合不全対策の一環として吻合部補強に焦点を当て、各施設での具体的な実践や成績について報告いただき、今後の標準的アプローチの確立に向けた議論を深めたい。
20 呼吸器外科領域におけるロボット支援手術の現状と工夫 一部公募
呼吸器外科分野におけるロボット支援手術は年々増加しており、その術式の適応範囲も広がり、「標準的な手術」として定着しつつある。アプローチ方法や手技にさまざまな工夫が施されており、今後もさらなる新しい技術の登場にも大いに期待される。最新技術は呼吸器外科手術を一変させる可能性を秘めている一方で、その臨床的なベネフィットや有用性については慎重な議論も必要である。さらに、出血などの緊急事態における対応やトラブルシュートのための体制や準備の重要性も増している。
本セッションでは、ロボット支援手術における手技上の工夫、安全対策、および教育面での取り組みについて紹介していただく。
21 Stage IV閉塞性大腸癌に対する治療戦略 一部公募
大腸癌治療ガイドライン2024年度版において、根治的外科手術を前提とした術前の閉塞解除処置(bridge to surgery: BTS)としての大腸ステント治療は、推奨度が見直され、行うことを弱く推奨されるようになった。一方で、薬物療法が適応となる患者における大腸ステント治療は、未だ十分なエビデンスがなく、本ガイドラインでは行わないことが弱く推奨されている。現状では、①原発巣切除後、②ストマ造設後、③大腸ステント留置後に薬物療法を導入する選択肢があるが、どの手法もそれぞれメリット・デメリットがある。本セッションでは、薬物療法の適応となる閉塞性大腸癌に対する治療の現状を整理し、今後の方向性について議論していただきたい。
◆ビデオパネルディスカッション
01 令和時代の外科教育・トレーニング法を考える 一部公募
外科医の減少が課題となる中で、次世代の外科医育成における教育・トレーニングは、ますます重要なテーマとなっている。外科医としての自己確立、ライフワークバランス、そして地域格差など、多くの要因が教育とトレーニングに影響を与えている現在、従来の教育やトレーニング手法を振り返りつつ、時代の変化に適応した新たなアプローチを取り入れることが求められる。
本ビデオワークショップでは、外科教育とトレーニングの現状を再評価し、各施設での教育の工夫やトレーニング方法を共有いただき、外科全体の教育体系をどのようにアップデートできるか、その可能性を探り、次世代の外科医育成に貢献することを目指す。
02 ロボット支援手術における吻合技術の進化 一部公募
ロボット支援手術の精度が向上するにつれて、吻合技術も進化している。本ワークショップでは、最新のロボット支援吻合技術についてビデオを用いて実演し、手技の進化による臨床的利点を探る。参加者は、実際の症例ビデオを通じて、吻合部の緻密な処理や術後の合併症リスク低減のための手法を学ぶことができる。
03 胃癌手術における腹腔鏡・ロボット支援手術の役割と将来展望 一部公募
本セッションでは、腹腔鏡およびロボット支援手術が胃癌治療においてどのように進化し、どのような未来が期待できるかを議論する。特に、これまでの技術的な進展を振り返りながら、将来的に期待される新しい技術やアプローチについても検討する。
04 直腸癌ロボット支援手術の極意 一部公募
多くの施設が、ロボット支援下直腸癌手術を行うようになってきた。合併症発生率や長期予後については腹腔鏡手術と同等との報告が増えてきたが、手術時間については腹腔鏡手術よりも長いとの報告が多い、本セッションでは、ロボット支援下直腸癌手術を安全かつ効率よく行うための極意を提示していただきたい。
05 各ステージ別の胆嚢がんに対する至適手術法と周術期治療 一部公募
胆嚢がんは、一般的に予後の悪いがん種分類されるが、手術法は、低侵襲手術から他臓器合併切除を要するものまで多岐にわたる。また、他臓器への浸潤やリンパ節転移の有無により、手術適応の可否も施設によって異なるのが現状である。また、FGFR阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬の使用も可能となっているため、手術治療との組み合わせによる更なる治療成績の向上も期待される。周術期治療も含め、各ステージ別の胆嚢がんに対する至適手術法を御討議頂きたい。
06 乳房温存術における整容性について 一部公募
乳癌の外科治療において、整容性を保つ目的でさまざまな工夫がされてきた。乳房部分切除を行うだけでは切除した部分の乳房の変形が懸念されるが、残存乳房を一部遊離する乳房形成やラジオ波焼灼療法、凍結療法などが試みられている。それぞれの手術の実際をビデオで共有することで、知見を広げる。
07 急性胆嚢炎の治療戦略 一部公募
急性胆嚢炎の手術はその炎症と時期により難易度は様々であるが、Tokyo Guidelineにより急性胆嚢炎の治療戦略は明確となり、早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術が安全に施行されるようになった。各施設での急性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の工夫を映像にて提示していただき、さらに安全な腹腔鏡下胆嚢摘出術の確立について議論を期待したい。
◆ワークショップ
01 クロスリアリティを活用した外科における教育と治療 一部公募
近年、現実の環境を拡張するAR(拡張現実)や、ユーザーを仮想空間に置き換えるVR(仮想現実)など、クロスリアリティ技術の進化は急速に進んでいる。外科においても、教育や手術補助としてNavigation surgeryや術前シミュレーションなど、積極的な活用が進んできている。
本セッションでは、臓器領域の垣根を越えるのはもちろん、多職種の視点からも現在のクロスリアリティの活用における取り組みの実際や、今後の可能性、開発の展望を発表していただきたい。
02 遺伝性腫瘍診療に関する問題点 一部公募
がんゲノム医療が広まるにつれ、遺伝性腫瘍と診断される患者が増えてきた。しかし、適切に診断が行われていない症例は少なくなく、また診断に至るまでの過程や診断後のサーベーランス法も十分に確立されていない。遺伝性乳癌卵巣癌やLynch症候群では、様々臓器に悪性腫瘍が発生するが、各科の連携体制についても確立されているとは言い難い。本セッションでは遺伝性腫瘍診療に関わる様々な問題点とその解決法を提示していただきたい。
03 他臓器合併切除を要する局所進行がんの手術 一部公募
手術器具や術前治療の進歩により、これまで切除不能と判断されていた症例が切除できるようになった。しかし、他臓器合併切除を要する局所進行がんの手術適応や手術法、周術期補助治療については十分なエビデンスがない。本セッションでは各施設における他臓器合併切除を要する局所進行がんの手術適応や手術のポイント、周術期補助治療について提示していただきたい。
04 食道癌に対する集学的治療戦略 一部公募
食道癌における集学的治療により予後改善と生活の質の向上が得られている。最新のガイドラインでは、cStageII、III食道癌に対してDCF3剤併用術前化学療法が強く推奨されており、手術後には免疫チェックポイント阻害薬による術後補助療法が推奨されている。また、FP療法と放射線照射を組み合わせた化学放射線療法も食道癌治療においては現在も一定の役割を果たす。近年では光線力学療法も行っている施設も全国的には珍しくない。これらの様々な治療法の組み合わせは、食道癌の集学的治療戦略において大変重要である。各施設での食道癌に対する集学的治療による臨床データをご発表いただき、最前線の食道癌治療について議論いただきたい。
05 胃癌手術における拡大郭清の実践と合併症予防 一部公募
胃癌における拡大郭清は、治療成績向上に寄与するが、術後合併症のリスク管理が求められる。このワークショップでは、拡大郭清の基本手技を学び、術中の重要なポイントや術後の合併症を最小限に抑えるための戦略を実践的に指導する。手術シミュレーションを通じて、郭清の精度と安全性を確保する技術を習得する。
06 術前化学療法(NAC)後の胃癌手術における手技と合併症管理 一部公募
術前化学療法(NAC)は、胃癌手術において腫瘍縮小効果をもたらすが、術後の合併症リスクを管理することが重要である。このワークショップでは、NAC後の胃癌手術における手技を習得し、術中のリスク管理や術後の合併症予防について実践的なアプローチを学ぶ。NAC後の手術成績向上に必要な技術や知識を参加者に提供する。
07 バイオマーカーに基づくステージⅣ・再発大腸癌の治療戦略 一部公募
Stage IV・再発大腸癌の治療では、遠隔転移が切除可能であれば切除することで予後改善に寄与することが報告されている。しかしながら、早期に再発し、手術ではなく化学療法を選択すべきだったと思われる症例も数多く存在する。
大腸癌のバイオマーカーとして、KRAS、BRAF、マイクロサテライト不安定性(MSI)があり、近年ではctDNAが注目されている。これらのバイオマーカーを駆使したStage IV・再発大腸癌の治療戦略、特に手術療法の適応やタイミングについて各施設に発表いただき、議論していきたい。
08 日本から世界に発信すべき肝臓移植の歴史と進歩 一部公募
1990年代から日本は、生体肝移植の分野で手術技術や術後管理の面で多くの革新を世界に発信し、世界の肝移植医療に貢献してきた。その背景には、手術技術の高さ、小児も含めた生体肝移植での成功率やドナーの安全性の高さや、チーム医療などが存在する。Transplantation Oncologyの概念や基礎医学においても日本から発信すべき情報は多い。質の高いロボット支援下グラフト採取法なども含め、これまでの成績、今後の肝臓移植の展望などにつき御討議頂きたい。
09 肝臓切除術における術前シミュレーションと術中ナビゲーション技術の展望 一部公募
昨今のめざましいIT技術革新に伴い、手術前、中の3Dシミュレーション、ナビゲーションなどのコンピューター外科手術支援が急速に発展して来ている。個々の患者に最適な手術計画を立てるだけでなく、より正確で緻密、安全な肝切除を行うことが可能となって来た。今後は、深層学習をはじめとする人工知能AIを活用した画期的なナビゲーション技術の開発だけでなく、その他、医工連携技術を応用した新技術も期待される。現時点での現実的な着地点、課題と展望につき御討議頂きたい。
10 胆道拡張症に対する手術法と短期、長期成績について 一部公募
胆道拡張症に対する外科治療は、開腹、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術で行われ、それぞれに利点と欠点が存在する。発がんの可能性がある本疾患では、拡張胆管の完全切除が重要となるが、それぞれの術式の実際と短期、長期成績についてビデオを提示しながら御討議頂きたい。
11 膵神経内分泌腫瘍の最新の治療戦略 一部公募
膵神経内分泌腫瘍の治療は核種治療(ペプチド療法)の登場により大きく変わりつつあり、切除不能症例であっても治療が奏功しConversion surgeryを行う症例もみられるようなっている。ペプチド療法、エベロリムス、スニチニブ、ストレプトゾシン、ランレオチド等、様々な治療法のあるなかで最善の治療戦略について議論して頂きたい。
12 遺伝性乳癌卵巣癌症候群について 一部公募
2020年4月からBRCA遺伝子変異の検査が保険適応でできるようになり、5年を迎える。遺伝性乳癌卵巣癌症候群の診断、周術期の治療、サーベイランスなど、症例が増えた現在、各施設での取り組みや対応などについて発表し、患者そその家族がよりよい医療を受けられるよう、議論していただきたい。
13 乳癌領域における周術期の薬物療法(新規に保険適用となった薬剤について) 一部公募
癌診療における薬物療法は日進月歩であり、ここ数年で新規に保険適用となった薬剤は複数ある。乳癌に関しては、エストロゲン受容体陽性かつHER2陰性の原発性乳癌患者さんに対する術後内分泌療法に、TS-1を1年間併用またはCDK4/6阻害薬であるアベマシクリブを術後2年間内服併用が可能になった。TS-1とアベマシクリブの投与対象は重なる部分があり、どちらを投与するか、あるいは投与しないか、患者背景や病状、各薬剤のメリット・デメリットを考慮しながら臨床医の判断にゆだねられる。他、HER2陽性乳癌に対して術前化学療法でpCRが得られなかった症例にカドサイラ投与や、トリプルネガティブ乳癌に対して免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブ、BRCA変異陽性の場合はPARP阻害薬のオラパリブなど、新規薬剤について多角的に論じていただきたい。
14 ゲノム医療時代の甲状腺癌手術 一部公募
分子標的薬治療が急速に普及してきた中、外科治療の方針に変化はあるのか。外科治療を前提とした分子標的薬の併用方法、分子標的薬導入のためのコンパニオン診断を目的とした外科治療、neoadjuvantとしての分子標的薬治療などについて議論いただきたい。
15 若手外科医に必要な内分泌外科教育とは 一部公募
若手外科医にとってより効率的に定型的な手術手技を学ぶためにはどのような教育が必要か。施設を超えてそのノウハウを共有していただきたい。また、内分泌外科領域でも近年U-40の会が結成された。これまでの活動や取り組みについて、若手医師の目線から発信していただきたい。
16 総胆管結石に対する外科治療の関与 一部公募
総胆管結石に対する治療方針は、各施設により異なるのが現状である。総胆管結石の治療は内視鏡的乳頭切開術(EST)が主流となっているが、ESTによる乳頭機能の低下から胆管炎や胆石再発のリスクになることも報告されている。総胆管結石症の手術としては、総胆管切石術や胆管十二指腸吻合などがあるが、各施設で行っている総胆管結石に対する手術治療成績を提示していただき、総胆管結石に対する最適な治療方針を、議論していただきたい。
17 (準)汚染ヘルニア手術におけるメッシュは使用されうるか? 一部公募
(準)汚染環境でのヘルニア手術では、感染リスクを考慮してメッシュ使用が躊躇される。しかし、近年、吸収性メッシュやバイオロジカルメッシュを使用することにより安全であるとする海外からの報告が散見される。本セッションでは、(準)汚染ヘルニア手術におけるメッシュ使用の可否について、成功、不成功を問わずの使用経験や最新のエビデンスを報告していただき、メッシュ感染のリスク、感染管理の実際、メッシュ選択の基準などを多角的に検討していただきたい。
18 Open abdomen managementと腹壁閉鎖困難症例に対する治療戦略 一部公募
外傷のみならず内因性疾患においても、damage control surgeryや計画的に複数回手術を症例に対して、open abdomen managementが導入されている。一方で緊急手術のみならず予定手術においても、大量輸血などの影響で腹壁閉鎖困難症例が生じる。各施設におけるopen abdomen managementや腹壁閉鎖困難症例に対する治療戦略について報告いただきたい。
19 腸閉塞の診断と治療 一部公募
腹腔鏡手術やロボット手術が増加し、また癒着防止材が使用されるようになり、腸閉塞が減少することが期待されたが、未だ腹部救急疾患において腸閉塞が占める割合は少なくない。腸閉塞の手術適応については各施設で隔たりがあり、また腸閉塞解除を腹腔鏡で行う施設もあるが、その有用性は明らかではない。本セッションでは、腸閉塞について診断、手術適応、治療方針、等様々な観点から議論を行っていただきたい。
20 間質性肺炎合併肺癌に対する周術期マネジメントの課題と今後の展望 一部公募
間質性肺炎に肺癌を合併するケースは少なくなく、治療においては慎重な対応が求められる。間質性肺炎合併肺癌の手術では、急性増悪が極めて重要な合併症であり、適切なマネジメントが必要であるとともに、これは呼吸器外科領域における克服すべき最大の課題の一つである。こうした合併症に対する予防と対処のため、術前の危険因子の同定や画像解析、さらには周術期の薬物療法など、多方面にわたる研究が進められている。
本セッションでは、術式を含む治療選択や周術期管理に関する最新の研究成果や実践的な工夫についてご発表いただき、間質性肺炎合併肺癌における周術期マネジメントの課題と今後の展望を共有したい。
◆ビデオワークショップ
01 非開胸アプローチによる食道癌手術の有用性 一部公募
食道癌治療において、非開胸での縦郭アプローチが注目されている。この術式は、従来の開胸手術に比べて患者の身体的負担を軽減し、回復期間の短縮が期待されている。各施設での非開胸アプローチを用いた食道がん手術手技を中心にビデオで供覧していただき、あわせて適応基準や治療成績、患者QOLへの影響、その臨床的有効性等について発表いただきたい。
02 腹腔鏡胃切除術における吻合技術の向上 一部公募
腹腔鏡手術における吻合技術は、手術成功の重要な要素である。このワークショップでは、基本的な腹腔鏡下の吻合技術を、ビデオを通じて段階的に解説する。さらに、術中における吻合の際のトラブルシューティングや、効率的な手技のコツについても議論する。
03 右側結腸癌に対するロボット支援下手術のコツ 一部公募
結腸癌に対するロボット支援下手術が保険収載され、広く行われるようになってきている。右側結腸癌手術では、従来、後腹膜アプローチ、内側アプローチ、頭側アプローチがあるが、ロボット支援下手術において、どのアプローチ方法が適しているかは議論の余地がある。本セッションでは、各施設の右側結腸癌に対するロボット支援下手術のビデオを提示していただき、選択されたアプローチ方法のメリット、デメリットについて議論していただく。
04 低侵襲肝臓外科手術における術中蛍光ガイド手術の展開 一部公募
インドシアニングリーン(ICG)蛍光ガイド下手術は、低侵襲肝臓手術において非常に有用な技術として注目されている。Positive、Negative stainによる正確な肝臓領域の把握が可能であるだけでなく、他のModalityでは同定が困難な腫瘍の位置把握でも有効な局面が存在する。近年では、Overlay systemが発達し、肝内のDemarcation lineも把握できる様になり、更に正確な手術が可能となって来ている。現時点での本法の限界と課題、今後の展開についてビデオを提示しながら御討議頂きたい。
05 先天性胆道拡張症に対する低侵襲手術の未来 一部公募
天性胆道拡張症に対するロボット支援下手術は2022年4月に保険収載され、導入施設が増加してきている。ロボット手術の普及に伴い、先天性胆道拡張症に対する低侵襲手術は増加傾向にある。先天性胆道拡張症に対する低侵襲手術の手術ビデオを提示していただき、適応や手術成績、定型化への取り組みについて議論して頂きたい。
06 JSES技術認定医取得を目指した腹腔鏡下膵切除の取り組み 一部公募
膵臓領域でのJSES技術認定医合格は大変狭き門となっている。認定医取得のための各施設の教育、修練法やあらたに審査が始まったロボット支援下膵体尾部切除も含めた術野展開や定型化について議論して頂きたい。
07 合併症ゼロを目指した甲状腺手術への取り組み 一部公募
甲状腺手術において、術後出血は重大な合併症につながりうるため細心の注意が必要だが、どの施設でも一定の割合で発生しうるものである。合併症ゼロを目指して各施設が術中、手術前後に実施している取り組みや工夫について、動画を交えて議論いただきたい。
08 腹腔鏡下鼠径部ヘルニア修復術の技術認定制度から見えるもの 一部公募
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の技術認定取得は、比較的取り組みやすい一方、最難関領域でもある。このセッションでは、技術認定合格に向けたトレーニング方法、注意点、技術のコツなど、取得を目指している外科医に対するアドバイスをいただきたい。また、技術認定取得はさらなる進歩の過程でもあり、今後の認定制度の在り方などについても広くご討議いただきたい。
09 進行肺癌・進行悪性縦隔腫瘍に対する拡大手術 一部公募
進行肺癌や進行悪性縦隔腫瘍に対しては、肺動脈・気管支形成術や隣接臓器合併切除を含む拡大手術が施行される。近年の薬物治療や放射線治療の進歩は目覚ましく、以前では、切除不能とされた進行癌症例においても手術を含む集学的治療によって長期生存が可能となりつつある。
そのような現状において、本セッションでは、これまでに隣接臓器合併切除を要した胸部悪性腫瘍例に対して、治療戦略を紹介いただくのと共に、実際の手術ビデオで供覧していただき、その外科的テクニックやノウハウを紹介いただきたい。
10 若手に伝えたい起死回生の一手 一部公募
手術においては、術前に十分なシミュレーションを行い、適応や術式の選択を慎重に検討することが重要である。しかし、手術中や術後経過で予期せぬトラブルや合併症が発生するリスクを完全に排除することはできない。しかしながらこうした局面において、冷静かつ適切に対応し、事態を打開する力が外科医としての重要な資質の一つである。近年、手術動画が広くウェブ上で参照できる時代となったが、術中に発生したトラブルやその対処法を公開する機会は依然として限られている。
このビデオシンポジウムでは、実際に直面した術中・術後のトラブルから学んだ貴重な教訓や、定型術式であっても見落としがちなピットフォール、さらには救命につながった術中の「一手」など、経験豊富な外科医の皆様から、多様な視点に基づく実践的な発表を共有し、若手外科医が成長するための実践的な知見を示して頂きたい。
要望演題(口演)
共通・領域横断
1.各領域におけるERAS
2.各領域における超高齢者に対する外科治療・治療戦略・成績
3.各領域におけるSSI対策
4.外科医が基礎研究を行う意義
5.NCDの活用が外科医療にもたらすもの
6.地域医療における外科の魅力
7.外科診療におけるAI活用の現況と課題
8.鏡視下手術における手術教育
9.技術認定取得のためのKnack & Pitfalls
10.各領域における周術期の栄養管理
11.各領域におけるチーム医療
12.各領域における医療安全
13.各領域における再発・予後因子
14.各領域における手術手技
15.各領域における拡大手術
16.肝胆膵領域における移植
上部消化管
17.高難度LECS症例の治療戦略
18.食道胃接合部癌の治療戦略
19.内視鏡外科の若手医師への教育について
20.CY1胃癌に対する治療戦略
21.ロボット支援胃切除術のpit-fall
22.噴門側胃切除後の再建法の工夫
23.私のCVポート造設術~実践に基づくコツと工夫~
24.肥満手術の適応と術式選択:症例ベースで学ぶ
25.私の考える“安全な肥満手術”とは
26.ここが知りたい!肥満症例の腹腔鏡手術のコツ
下部消化管
27.Diverting Stomaのトラブルシューティング回避のための工夫と管理
28.広範囲小腸切除後の短腸症候群に対する治療と管理
29.難治性痔瘻に対する治療アプローチ
30.下部消化管穿孔に対する治療戦略
31.直腸がんに対する側方リンパ節郭清の手術手技のこだわり
32.大腸手術における予防的経口抗菌薬の是非
33.複雑性虫垂炎の治療
肝
34.肝胆膵外科におけるトレーニングプログラムの最適化
35.開腹・腹腔鏡・ロボット手術における手技のフィードバック
36.腹腔鏡下肝切除が有用である術式の再考
37.肝切除後合併症の予防・治療
38.肝のう胞の外科治療
39.イメージングやシミュレーションの肝臓外科への応用や工夫
胆
40.若手外科医への腹腔鏡下胆嚢摘出術の教育
41.術後胆汁ろうの予防および治療
42.胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)、胆嚢内乳頭状腫瘍(ICPN)の外科治療
43.胆道癌におけるConversion surgery
膵
44.慢性膵炎に対する外科的治療の適応と成績
45.膵切除におけるドレーン管理
46.膵癌の遠隔転移に対する外科治療
47.ロボット支援(腹腔鏡下)膵切除術におけるトラブルシューティング
心臓・血管
48.臓器灌流障害を合併した急性大動脈解離の治療戦略
49.心室中隔穿孔手術の工夫:タイミング・アプローチ・補助循環の選択について
呼吸器
50.進行肺癌に対する集学的治療戦略
51.多発肺癌に対する治療戦略
52.呼吸器外科領域におけるロボット支援下手術の現状と工夫
乳腺
53.乳がん患者の個別化治療について
54.オンコプラスティックサージャリーの工夫
55.遺伝性乳がん患者のマネジメント
56.AYA世代乳がん患者のケアについて
内分泌
57.高齢者に対する内分泌外科手術
58.甲状腺・副甲状腺手術における手術手技の工夫
59.甲状腺未分化癌における術前・術後の分子標的薬による治療戦略
脾・門脈
60.門脈圧亢進症に対する手術の工夫
61.脾腫症例に対する腹腔鏡下脾臓摘出術における工夫
62.消化管静脈瘤、難治性腹水、猪瀬型肝性脳症に対する外科治療
63.門脈血行異常症や先天性門脈体循環シャントに対する治療戦略
64.脾臓機能温存に対する工夫
小児
65.小児鼠径ヘルニアの手術術式〜LPECかopenか〜
66.小児急性虫垂炎の治療方針
67.小児の腹部外傷診療
ヘルニア
68.ヘルニア術後漿液腫の機序と予防
69.Day surgeryはヘルニア手術で一般化するか?
70.内ヘルニアの診断と治療
救急
71.腸閉塞の診断と治療
72.腹部救急診療における中枢側大動脈遮断
73.腹部救急領域における複数診療科との連携
74.NOMIの診断と治療
75.Acute Care Surgeonの育成と将来像
76.急性腹症・手術を要する感染症・基礎研究
働き方改革
77.医師の働き方改革:ICTの活用
78.医師の働き方改革:ワークライフバランスの実現
79.医師の働き方改革:救急医療に及ぼす影響
80.医師の働き方改革:成功事例と課題
81.医師の働き方改革:医療の質を維持するための戦略
その他
82.在宅医療における外科医の役割
83.消化管吻合におけるこだわり
84.次世代育成のための学生・研修医教育
85.医療費削減と外科診療の最適化
86.外科診療の地域格差をどう埋めるか
87.若手医師からみた外科における医療経済
88.肥満外科手術における手術や周術期管理の工夫
89.クリニカルパス
要望演題(ビデオ)
上部消化管
1.胃切除術における吻合技術の工夫:安全性向上と合併症予防を目指して
2.私のD2郭清のこだわり:解剖を活かしたリンパ節郭清の精度向上
3.胃癌手術における腸管吻合技術:手縫い vs. ステープラーの使い分け
下部消化管
4.難治性痔瘻に対する治療のアプローチ
5.直腸脱の手術手技
6.円滑な結腸脾弯曲部授動のための手術手順
7.腹腔鏡手術におけるsurgical trunk郭清手技
8.中結腸動脈周囲のリンパ節郭清手技
肝胆膵
9.機能温存膵切除術の工夫と成績(開腹、低侵襲手術)
10.低侵襲機能温存膵切除術(腹腔鏡下、ロボット支援)における工夫
11.この肝切除…ロボットで出来ますか?(血行、胆道再建無し)
12.みせたいラパ胆でのBailout procedures
13.肋間ポートが有用な腹腔鏡下肝切除術
ヘルニア
14.食道裂孔ヘルニアの治療戦略
15.Open abdominal management後の腹壁閉鎖困難症例に対する治療戦略
16.慢性疼痛を起こさないヘルニア手術は?
17.傍ストマヘルニア手術のup to date
18.Intraperitoneal Onlay Mesh(IPOM)の功罪
一般演題(口演・ポスター)
カテゴリーA(臓器別等分類)、カテゴリーB(分野別分類)、カテゴリーC(症例報告か否か)よりそれぞれ該当するものを選択してください。
研修医セッション・学生セッション ※Awardあり
本セッションの趣旨は、若手医師(初期臨床研修医)の発表修練の場とすることです。
初期臨床研修医の皆様が学んだ症例、研究成果について積極的に発表・討論を行っていただく機会を与えるとともに、優秀な演題について表彰を行うことにより、さらに外科への興味をもっていただくことを目的に、本学術集会ではこのセッションを重要視しています。
基礎はもとより臨床研究を含め、結果には至らない中間報告、経験報告でも結構ですので、多くの応募を期待します。
【研修医セッション・学生セッション 応募資格】
応募時点で医学生もしくは医師免許取得後2年目以内の初期臨床研修医であれば、日本臨床外科学会会員でなくても応募可能です。
医学生の場合は「000000」とご記入ください。
その他、演題登録に関する規定等は下記、演題募集要項をご参照ください。
文字数制限
演題名:全角換算90文字以内
抄録本文(日本語):全角換算600文字以内
※上記の文字数を超えると登録できません。
共同演者・所属機関の登録
共同演者ならびに所属機関は筆頭演者を含めて15件まで登録できます。
利益相反状態(COI)の自己申告
演題登録時、オンライン演題登録システムにて、演者全員(筆頭、共著)の利益相反状態(COI)について申告していただきます。
自己申告が必要な期間は、演題登録日からさかのぼって3年間となります。
また、学術集会での発表時にも、演題登録日の3年前から発表日までの期間について、自己申告が必要となります。
利益相反状態(COI)の自己申告についての詳細はこちらをご確認ください。
受領通知
演題受領確認は、アカウント取得時に入力されたE-mailアドレスに受領通知が届きます。また、演題登録システムにログインしてご確認いただくことも可能です。
はがき等での通知は行いませんので、ご了承ください。
登録完了より1日経過しても受領通知メールがお手元に届かない等の場合は、登録が完了していない可能性がございます。登録内容を確認後、完了していない場合は、再度登録をお願いします。
受領通知メールが届かない場合、必ず演題登録締切日までにメールにて運営事務局(87jsa[あ]convention[ど]co[ど]jp([あ] を @ に,[ど] を . に変えてください。))まで登録の有無をご確認ください。
演題採否
演題採否は第87回日本臨床外科学会学術集会事務局により決定いたします。
演題申込の分野などに関しましては、ご希望に添えない場合もございますので予めご了承ください。
演題採否ならびに発表日時・会場は、9月上旬頃にご登録いただいたメールアドレス宛にご連絡いたします。
演題登録(公募)の手順
必ず下記のマニュアルを参照してください。
新規アカウント登録画面への下記「ログインはこちら」ボタンをクリックし、新規アカウント登録・演題登録を行ってください。
演題登録に関するお問合せ
第87回日本臨床外科学会学術集会 運営事務局
87jsa[あ]convention[ど]co[ど]jp([あ] を @ に,[ど] を . に変えてください。)