お問い合わせ先
9月22日(金)にご応募演題の採択結果をメールでお送りいたしました。
届いてない場合は、応募時の演題登録番号(5桁の数字)を記載の上、下記演題担当者までメールにてお問い合わせください。
E-mail: endai-84jsa[あ]convention[ど]co[ど]jp([あ] を @ に,[ど] を . に変えてください。)
演題募集期間
2022年4月25日(月)12:00~ | 6月6日(月) 6月13日(月)までに延長いたしました。 6月20日(月)までに延長いたしました。 6月27日(月)までに最終延長いたしました。 |
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演題募集は締め切りました。
多数のご登録ありがとうございました。
応募資格
日本国内の施設に所属している方については、共同演者を含む全員が本学会会員であることが必要です。非会員の方は演題登録時までに必ず日本臨床外科学会へ入会してください。
ただし、「研修医セッション」の筆頭演者は必ずしも本学会員に限りません。
※共同演者は本学会会員であることが必要です。
入会および会費納入に必要な書類は日本臨床外科学会事務局にお問い合わせください。
オンラインでの入会登録は以下のボタンから行ってください。
日本臨床外科学会事務局
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-6-9 ロックフィールドビル8階
TEL:03-3262-1555 FAX:03-3221-0390
応募方法
演題登録はホームページからのオンライン登録による応募のみとなります。
事前に登録システム利用上の注意をご確認ください。
UMINオンライン演題登録システムでは、【Firefox】【Google Chrome】【Internet Explorer】【Microsoft Edge】【Safari】以外のブラウザで演題登録はできません。
それ以外のブラウザでは、ご利用にならないよう、お願いいたします。
※各ブラウザは、最新バージョンの使用を前提としております。
募集カテゴリー
募集カテゴリーについては下記をご参照ください。
※趣旨をクリックすると詳細をご覧いただけます。
<総会特別企画>(公募・一部指定)
- 医工連携で考える未来の手術機器
医療に関する技術開発や医療分野における新事業の創出で、工学分野が持つテクノロジーを有効に活用することが進められています。現在行われている、未来の医療に向けた夢のある構想や、協力したら面白いと思われる理学系分野との構想を語っていただきたい。
- 医療におけるICT(Information and Communication Technology)の活用
医療において遠隔(オンライン)診療や情報の共有・連携は検討はされるものの、なかなか進展していないのが現状です。新たなICTの進展により、医療施設内の電子化、システム連携、医療施設間や医療・介護関連施設間での情報共有・ネットワーク化や、集約されたデータの活用、さらに個人がデータを自ら管理・活用した健康管理等へと進展できるのか。医療におけるICTの利活用で、地域医療を充実させることが可能となるのか議論していただきたい。
- まだ間に合う!医師の働き方改革にむけた取り組み
医師が健康に働き続けることのできる環境を整備することを目的に、2024年から医師の働き方改革が実施される。日常業務の効率化、労働時間の短縮の必要性が求められているが、医療の質を落とさない安全な医療は必要である。大学病院と市中病院、大都市と地方都市など立場の違いで異なると思われるが、意識改革、労働実態の評価、業務の分担や廃止、タスクシフト、Nurse Practitioner(NP)、診療外業務(自己研鑽も含む)、副業、兼業先での労働実態の把握など、持続可能な医療提供体制を維持していく上で各施設が取り組まれている多くの事例を紹介していただきたい。
- 外科診療における医療安全管理の実践
医療技術の高度化、複雑化、患者の高齢化に伴い大学病院や基幹病院などの大きな組織にはより高い医療水準が要求されています。その中で実践される医療は、多職種協働で複雑な連携が必要で、他の業種と比較してもエラー誘発要因が非常に多いと思われます。病院ではエラーの管理、医療の質の管理、医療紛争への迅速かつ適切な対応が求められます。特に外科に関連した安全で良質な医療システムについて各施設での取り組みについて発表していただきたい。
- 外科医不足の対策
日本の医師数はOECD加盟国の平均を下回り、若手の医師は都市に集まる傾向があり、医師の地域偏在や診療科偏在が危惧されている。これに伴い外科医の減少にも拍車がかかると、日本の外科医療の将来が危惧される。働き方改革や専門医制度ともかかわるが、この現状を打破するための未来に向けた外科医の確保や、有効活用についてアイディアを述べていただきたい。
- 忘れてはいけない、心構えと備え
近年、我が国においては様々な災害が生じている。われわれは阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、そして毎年危惧される台風や大雨などによる大規模な自然災害を経験している。いつどこで起こるかわからない自然災害に対して、医療人としてわれわれはどう向き合い、どのような対策を行わなければならないか真剣に考える局面に入っています。この企画では特に災害を経験された医療従事者(医師に限りません)からこれからの備えについてメッセージをいただきたい。
- 人生100年時代の外科医療
本邦における高齢化は加速し、外科治療が必要な方も高齢化してきている。同時に医療に対する社会のニーズも変化している。手術の適応や術後の管理、退院後の生活の質などを本人や家族と協議しながら治療法の選択が必要になると考えられる。一方で、認知機能低下、筋力低下、四肢や嚥下機能障害、不穏状態への対策も必要と思われる。これからの超高齢者に対する外科治療の在り方について論じていただきたい。
- Advance Care Planningにおけるコミュニケーション
我が国における死因のトップは悪性新生物である。多くの外科医が“がん”の診療に関わっている。高度進行あるいは再発癌の患者さんの終末期医療は、緩和ケアチーム、在宅医によって人生の最終段階の医療やケアが決定されているが、その過程で外科医にはどのようなことが必要か、コミュニケーションや他職種との連携、そして患者との距離の取り方などについて議論していただきたい。
- 医師のDiversityとInclusion
外科領域における女性医師の割合は増加している。しかし結婚や出産・育児などのライフイベントのために働くことをあきらめ、キャリアの中断を余儀なくされている女性医師がいる。一方、キャリアサポートがないに等しい中、結婚や出産・育児を経ても働き続ける女性医師もいる。男性医師においてもwork life balanceを重視する多様な考え方があります。このような中でも医師がキャリアを維持できるようなシステムや休暇の取り方、育児・育休休暇など、働き続けるためのヒントや成功事例を紹介していただきたい。
- 多職種連携でおこなう入院前からの周術期管理
手術を受けられる患者さんに対して,快適で安全,安心な手術前・手術中・手術後の環境を効率的に提供するための取り組みが各施設でも行われています。手術が決まった時点で外来通院時から多職種チームで手術に向けた心身の準備をサポートし,栄養指導や口腔ケア、術後の早期回復を目指した疼痛管理や呼吸器などのリハビリテーションなど、様々な取り組みに関して議論していただきたい。
- 病院総合医の有用性
急性期病院には多くの専門診療科が存在しますが、そこに入院する患者の病態は多様な疾病構造を呈しています。そのため担当診療科の医師が対応するには困難で、扱いに困ってしまう症例を経験することがあります。そのような場合に、まず処置や疾患の重篤化を防ぎための院内トリアージ、健康・栄養管理、生活機能の維持、さらに医療や介護に関する様々な相談にもチームとして包括的に支援を行う「病院総合医」が存在する施設があります。このような体制のある施設からの現状と展望を討論していただきたい。
- 医療連携の現状と展望
我が国の医療提供体制は多くの個人病院に支えられ、それぞれの内容も様々な特徴を有している。一方で、科学技術の発展により医療は高度化し、医療機関は高度急性期、急性期、回復期、慢性期病院と機能分化・役割が明確になっている。また高齢化に伴う疾病の変化や救急疾患への対応で、地域での診療科の集約や分散も検討されると思われる。特定疾患の手術や治療は集約され、治療継続や情報共有のため医療施設間の連携は重要である。それぞれの医療圏で行われている取り組みを紹介・討論していただきたい。
- 外科医の教育―指導する側・指導される側から―
手術は最も侵襲の大きな外科医の仕事の1つである。生体に障害を与える以上はそれに見合うだけの結果を残さなければならない。そのためには普段から手術手技の練習、最新医学情報のキャッチアップが必須であることは言うまではない。医師の働き方改革が求められる現在、先輩から後輩へその重要性をどのように効率的に指導しているか。上司の指導の極意や素晴らしいと感じた指導を披露してほしい。
- 伝えておきたい"外科治療"
麻酔や周術期管理の進歩と解剖・生理学や腫瘍学の解明により、それぞれの疾患に対する手術の考え方や方法はエビデンスをもとに少しずつ変遷している。現在の標準とされる術式はどのような経過を経て確立されてきたものかを知ることは、各自が疑問に思っていることの解消にもつながり、多くの示唆を与えるものである。各領域のエキスパートに時代とともに変遷してきた術式を語っていただく。
- 日本臨床外科学会の国内外科研修制度に参加して得たもの
日本臨床外科学会では2015年に国内外科研修委員会を発足し、若手外科医を対象として国内外科研修制度が2016年に開設されています。これは全国の多数の施設で希望する外科研修をしていただく制度です。これまでに全国から76名の先生が研修に参加されています。この制度に参加された先生の研修の成果や感想を是非とも紹介していただきたい。
- 若手外科医のための基本手術―指導医からのメッセージ―
我が国において、手術を必要とする疾患のなかで、市中病院でも最も経験することの多い疾患である胆のう摘出術、虫垂炎手術、痔核手術におけるポイントの解剖と手術の勘所について専攻医などの若手の先生方にKnackand Pitfallsを紹介していただきたい。
- 絵は口ほどに物を言う―映えるオペレコ―
手術記録を正確に残すことは極めて重要な術後の仕事の一つである。自分が行った手術の妥当性、血管の走行や臓器の位置変位、あの場面でなぜそうしたかしなかったか、出血させた原因がなんであったか、デバイスは妥当であったかなどその日のうちに振り返ることで、次の手術での課題が見いだせる。また手術記録として術中所見を絵で残すことは、再手術や再発手術、他疾患の手術を行う時にも参考なる。手術記録として手本となるような書き方を紹介していただきたい。
- 記憶に残る症例、この症例をどうする
これまでに手術や周術期管理、治療に難渋したが無事に退院された症例など、忘れられない症例があると思われる。また様々な手を尽くしたが助けられなかった症例を受け持った経験が自分の将来(専門)の決め手となった症例など記憶をたどっていただき発表していただきたい。
- 伝えて残そう―学会発表と論文公表の極意―
COVID-19の感染拡大と収束の繰り返しで、ここ2年間は以前のような現地開催での学会はほとんどないと思われる。この経験から今後の学会の在り方は変わってくると思われるが、緊張感の中限られた時間に最大限のことを伝えることが学会発表の醍醐味である。また学会で発表したことを多忙な時間の中で文章にまとめて論文として残すことは将来の医療の発展につながり、投稿が受理されるまでの経験は医師として成長にもなると思います。臨床研究の方法、論文の書き方について上梓されている先生に講演していただきます。
<シンポジウム>(公募・一部指定)
- 切除不能進行食道癌に対する治療戦略
切除不能局所進行食道癌に対する標準治療は化学放射線療法であるが、化学放射線療法や導入化学療法により腫瘍の縮小が得られた場合には外科的切除が可能となる症例も存在する。一方、遠隔転移を伴う進行食道癌に対しては、近年免疫チェックポイント阻害剤+化学療法の有効性が示されたが、限局した遠隔転移に対する外科的切除の意義は明らかではない。各施設で取り組んできた切除不能進行食道癌に対する治療成績と今後の戦略について論じていただきたい。
- 胃癌に対するロボット支援下手術の現状と将来
2018年4月に保険収載された胃癌に対するロボット支援下手術は、本年4月より手術手技加算が認められ、今後さらに手術件数の増加が予想される。また、手術機器に関しても次々に新規ロボットの参入が予定されておりこの分野のさらなる活性化が見込まれている。しかしロボット支援下胃切除術は標準化や治療成績は十分に示されていない。安全に推進していくためには今後、定型化が必要になるものと思われる。本セッションでは各施設でされている手術手技の工夫とその成績をご発表いただき、標準化への展望を示していただきたい。
- 進行胃癌に対する内視鏡下手術の治療実績
腹腔鏡下胃切除術はcStage Iに対しては日常診療の選択肢の一つとして胃癌治療ガイドラインにおいても推奨される標準術式となった。臨床の現場では多くの施設で進行胃癌に対しても腹腔鏡手術が行われておりJLSSG0901、 KLASS-02試験の結果を待って総合的に判断する必要がある。また、今後は術前化学療法後の腹腔鏡手術も増加することが予想される。しかしまだ、そのためのエビデンスは確立されていない。各施設での進行胃癌に対する腹腔鏡手術の適応や手術手技、治療成績について発表していただきたい。また、ロボット支援下手術との棲み分けや適応の違いについてもお示しいただきたい。
- 切除不能進行大腸癌におけるConversion Surgeryの治療成績
切除不能な進行癌症例に対して化学療法や放射線療法が奏功し、遺残のない治癒切除が可能と判断されて施行される外科的治療をconversion surgeryと呼び、昨今大腸癌においても報告が増加しつつある。しかしながら大腸癌において本戦略のコンセンサスもまだ得られていないのが現状である。本シンポジウムでは各施設における経験を基に発表いただき、今後の本戦略についての展望および問題点について議論していただきたい。
- 肝彎曲・脾彎曲部の横行結腸癌手術
横行結腸癌に対する手術はいまだ定型化されておらず、特に肝弯曲や脾弯曲部に腫瘍が存在する場合、結腸と周辺臓器との解剖学的位置関係から技術的に高難度とされている。また郭清範囲の設定やアプローチ法も占拠部位により異なり、根治を目指した進行横行結腸癌手術はさらに高難度とされている。本シンポジウムでは各施設における郭清のテクニックやアプローチ法、そして安全な外科手術を施行するための取り組みを論じていただきたい。
- 大腸がん多発肝転移の治療戦略
大腸癌多発肝転移に対する外科治療は、門脈塞栓後肝切除、Two stage hepatectomyやALPPS手術などの拡大肝切除に加えて、実質温存肝切除や熱凝固療法を併用した肝切除、R1手術を許容する治療戦略など様々報告され一定の成績を上げているが、未だ至適治療戦略は確立されていない。周術期化学療法に関しても明確なエビデンスは出ておらず、各施設の大腸癌多発肝転移に対する治療戦略を提示していただき、至適戦略を議論したい。
- 進行肝細胞癌に対するコンバージョン手術
肝細胞癌の薬物療法は、これまでの分子標的薬治療に加えて免疫チェックポイント阻害薬の使用が承認され、進行肝細胞癌の治療は急激に変化しつつある。しかし当初切除不能と診断されても薬物療法後にコンバージョン手術が可能となる症例が増えてきており、進行肝細胞癌治療における外科医の役割は依然として重要である。肝細胞癌薬物治療の新時代におけるコンバージョン手術の位置づけ、治療経験および成績を提示いただき今後の進行肝細胞癌治療の外科的な展望を議論したい。
- 肝門部胆管癌の術式と治療成績
肝門部領域胆管癌に対する外科治療は高難度であり、特に局所進行例ではR0手術のために血管合併切除や肝膵同時切除など拡大切除を要することも少なくなく、周術期合併症の頻度は高く、高い周術期死亡率も報告されている。そのため、切除適応、切除可能限界については施設間の温度差がいまだ存在すると考えられる。そこで本シンポジウムでは各施設での安全性を配慮した肝門部領域胆管癌R0手術のための患者選択、周術期管理、術式選択などの取り組みと工夫について示していただきたい。
- 切除可能膵癌に対する術前治療の現状と課題
近年の化学療法の進歩は、予後不良とされる膵癌の治療に大きな進歩をもたらしている。膵癌の予後の改善には、これらを組み合わせた集学的治療が不可欠となり、その有用性も報告されているところである。本セッションでは、Resectable膵癌及びBorderline resectable膵癌に対し、各施設で取り組んでいる術前治療の適応、化学療法及び化学放射線治療の内容、術前化学療法期間などを提示していただき、膵癌術前治療について、今後行うべき治療戦略をご討議いただきたい。
- 非小細胞肺癌に対する区域切除の工夫
近年、画像診断の進歩により早期の肺がんの発見率が上昇してきた。それに伴い積極的縮小手術として肺区域切除が広く施行されるようになった。小型肺癌における区域切除の優位性を示したJCOG0802試験の結果からも今後ますます区域切除が増加すると予測される。近年のデバイスの進歩や多様化によって施設間でその手技に違いが認められる。各施設における区域切除時の工夫についての取り組みを討議していただきたい。
- 腋窩リンパ節マネジメントに関する新知見:センチネルリンパ節陽性症例における腋窩リンパ節郭清の省略について
これまでセンチネルリンパ節(SN)転移を伴う早期乳がん症例においては腋窩リンパ節郭清が標準的に行われてきた、近年の臨床試験等のデーターでは転移を認めたSN以外の腋窩リンパ節への転移は半数以下であり、ランダム比較臨床試験でも1-2個のSN転移を伴う症例に対して腋窩郭清を省略した患者の治療成績は、郭清した患者とは遜色がなく、SN陽性症例においても腋窩郭清が回避できると考えられる。我が国においてはSN陽性症例に対する治療の実情、臨床成績及び課題について討論し、また、進行中の外科領域の臨床試験での知見などを発表していただきたい。
- 超高齢者乳癌患者に対する外科的治療と薬物療法
近年の医療技術の進歩により日本での平均寿命は延長している。それに伴い超高齢者乳癌患者は今後さらに増加していくものと考えられ、2018年次全国乳がん患者登録調査においては80歳以上の乳癌患者は全体の約10%と報告されている。乳癌治療において手術は縮小化され、薬物療法や放射線療法など多岐にわたる集学的治療が行われているが、超高齢者乳癌患者に対しては一定の見解が得られていないのが現状である。これらの点を踏まえ、超高齢者乳癌患者に対する治療の現状と展望について議論していただきたい。
- 腹膜播種に対する治療戦略
大腸癌において同時性腹膜播種は最も難治な転移様式であり、様々な治療開発が検討されているもの未だ明確なエビデンスは存在しない。本邦においては切除可能な大腸癌腹膜播種に対して切除が推奨されるが、欧米ではcytoreductive surgery (CS)+ hyperthermic intraperitoneal chemotherapy (HIPEC) の有用性が報告されてきた。しかしPRODIGE 7の結果ではHIPECの有用性については未だcontroversialである。本シンポジウムでは大腸癌腹膜播種に対する治療の現状と新しい治療法について、今後の期待を含め議論していただきたい。
- 感染性大動脈瘤の治療戦略
感染性大動脈瘤は未だ確立された標準的な治療法がなく、死亡率の高い疾患である。近年、患者の高齢化に伴い、免疫抑制状態患者も増加しており、治療方針の選択においては、それぞれの症例に応じて、治療戦略を検討することが不可欠である。本発表では、抗生剤治療による最新の感染の制御法や、患者背景による手術戦略、特に(T)EVAR治療も含めた人工血管置換術の至適時期再建法等、確立した治療戦略構築に向けて議論していただきたい。
- 新しい薬物療法及び遺伝子診断の進歩が外科手術にもたらす影響
薬物療法の進歩に伴い、これまで手術適応にならなかった進行癌に対して、薬物療法後に手術を施行する症例が今後増加すると予測されます。この様な症例では手術難易度が高い場合が多く外科医の腕の見せ所とも言えます。このセッションではSalvage surgeryやOligo- metastasisに対する手術などを含めて、各種癌に対する外科手術のご経験と今後の展望をご討論いただきたいと思います。
- 消化器外科領域におけるロボット支援下手術の功罪
外科のパラダイムシフトとして、内視鏡外科手術の発達は異論がないところである。
ロボット支援下手術は様々な特徴によりその有用性が謳われているが、それが従来の開腹手術や腹腔鏡手術よりも優位かはいまだ議論の余地がある。一方で、ロボット手術の普及に伴い開腹・腹腔鏡手術の割合が減少となっており、本来もつべきその有用性が見落とされている可能性がある。そこで、ロボット支援下手術を導入することにより得たもの失ったものを率直に討論していただきたい。 - 腸管不全症の治療ー現状と未来ー
腸管不全の生命予後は栄養管理の進歩により大幅に改善してきたが、最終的目標は静脈栄養から離脱して経腸栄養で生活できるところにあろう。近年、本邦においても多職種による腸管リハビリテーションプログラムの取り組みやGLP-2アナログ製剤の臨床使用など新たなステージに入ってきたと考えられる。本シンポジウムでは各施設で取り組んでいる腸管不全に対する治療の現状と問題点を明らかにしていただき、静脈栄養からの完全離脱に向けた方策について議論していただきたい。
- 医療安全の現状と取り組み
医療安全の確保は医療政策の中で重要な課題であり、ヒューマンファクターの改善、ノンテクニカルスキルの理解は不可欠である。我が国で医療安全に対して本格的に取り組むようになり約20年が経過し、各施設から医療安全に関する報告が数多くなされている。しかし、地域、病院の規模、コロナ禍の中での診療、人材不足等、様々な要因によって縦断的、横断的な対応の変化を求められる。外科診療に関する医療事故の発生状況や医療事故に対する取り組みがどのように行われているのか、各施設における現状と取り組みについて示していただきたい。
<ビデオシンポジウム>(公募・一部指定)
- 食道胃接合部癌に対する最適な術式選択
近年、食道胃接合部癌は増加傾向にあり、噴門側胃切除術や腹部食道合併切除を施行する頻度は増加している。食道胃接合部癌に対する外科治療においては、本邦で行われた研究結果より至適リンパ節郭清範囲に関しては一定の見解が得られた。しかしながら、切除術式や再建法およびアプローチ法の選択に関しては様々な再建法が報告されているがいまだ確立したものはない。本セッションでは各施設での切除再建法の工夫と、QOLも含めたその術後成績をご発表いただき最適な術式を示していただきたい。
- ロボット支援下胃切除の標準化と個別化
ロボット支援下胃切除術が保険適用され4年が経ち、全国の多くの施設で導入が進んでいる。今後、ロボット胃切除術を安全に推進していくためには定型化が必要になるものと思われる。また、手術支援ロボットの潜在能力は、従来の外科手術とは異なる新たな可能性を秘めている。本セッションでは各施設で工夫されているロボット手術の手技とその成績を示していただき、定型化への取り組み、個別化へ向けた将来の方向性を示していただきたい。
- 標準的な痔核手術
痔核に対する手術治療法の中で根治性、汎用性をもって標準術式と考えられているのが「結紮切除術」である。本術式は1937年に英国のMilliganとMorgan が発表したもので、本邦には1960~1970年頃に導入された。結紮切除手術はあらゆるタイプの痔核、あらゆる重症度の痔核に対しても適応となる手術方法であり、根治性も高いが、術後の疼痛や出血などの急性期合併症や肛門狭窄などの晩期合併症が多いところが欠点と言える。本シンポジウムでは各施設における痔核手術のテクニックや術後合併症を低減するための工夫を論じていただきたい。
- 標準的なストーマ造設術
ストーマ造設術は若手外科医の習得すべき手術のひとつとされているが、実際の手術手技については術者や施設によってバリエーションに富んでいる。適切な手術手技により造設されたストーマは、オストメイトとしてのQOLを確保することができる。若手外科医だけでなく、ストーマ造設に関わる全ての外科医に向けて、ストーマ造設の標準化を目指して、各自の手術手技を供覧し、ストーマ造設を見直す場としていただきたい。
- 小児内視鏡外科手術の標準化と教育
近年、小児外科疾患においても機器の進歩や細径デバイスの開発が進み、内視鏡外科手術が多くの疾患で導入されるようになってきた。しかし、小児外科疾患は個々の症例が少ないことから、後進の育成には術式の標準化と教育方法の工夫が必要であると考えられる。本シンポジウムでは、今後さらに小児内視鏡外科手術を発展させていくにあたり、経験豊富な施設から手術術式の標準化と後進に対する教育方法の工夫について提示していただき、今後の展望についても議論していただきたい。
<パネルディスカッション>(公募・一部指定)
- 食道癌に対するロボット支援下手術の治療成績
ロボット支援下食道悪性腫瘍手術が保険適用となり、全国に普及している。治療成績についてのデータも多くなってきたと考えられる。胸腔鏡手術や開胸手術と比較した合併症、QOL、治療成績を提示いただき、さらにロボット支援下食道切除の今後についても論じていただきたい。
- 食道癌手術における周術期チーム医療について
食道癌手術では、術後合併症の発症が他の手術と比較し高く、安全な手術のためには周術期管理が重要である。多職種によるチームでの取り組みを行うことにより成績向上がなされた報告もある。各施設での周術期管理の工夫、治療成績について報告いただき討論いただきたい。
- 食道胃接合部癌 up to date (現状と展望)
本邦での食道胃接合部癌が増加傾向にあるなかで、多施設共同研究の結果より、食道浸潤範囲別に外科手術アプローチ法、リンパ節郭清範囲が提示された。しかしながら食道胃接合部癌における郭清や狭視野での縦隔内吻合は難易度が高く、縫合不全や術後逆流性食道炎は依然として解決すべき課題のひとつである。このセッションでは食道胃接合部癌に対する郭清手技、再建法の工夫など、治療成績を交えて紹介していただきたい。
- 高度進行胃癌に対するConversion surgeryの成績と今後
Conversion surgeryとは、切除不能進行胃癌症例に対して全身化学療法を行い、これが著効し腫瘍を完全切除できる可能性が得られた場合に行われる手術である。化学療法の進歩とともにこうしたconversion surgery症例は増加しており、CONVO-GC-1ではR0切除が施行されればStage IVからのconversion症例は比較的良好な予後が得られることが示された。しかしながら、手術を行うタイミングなどに関しては未だ議論すべき点が多い。本セッションでは、胃癌に対するconversion surgeryの各施設における定義や治療法、特に成績と治療戦略について討議いただきたい。
- 胃癌治療における免疫チェックポイント阻害剤
近年、がん免疫療法の進歩は著しく、胃癌においても三次治療以降においてニボルマブがプラセボに対する全生存期間延長効果を示し(ATTRACTION-2試験)、さらには、CheckMate649試験、ATTRACTION-4試験の結果を受けHER2 陰性の治癒切除不能な進行・再発胃癌/胃食道接合部癌の一次治療における化学療法とニボルマブの併用療法が推奨されるレジメンとなった。一方で、pembrolizumabの第III相試験では、標準化学療法に対して全生存期間における優越性を示していない。本セッションでは胃癌治療における免疫チェックポイント阻害剤の現状とこれからの方向性に関して議論を行いたい。
- 高齢者胃癌に対する治療戦略
胃癌の年齢調整罹患率は減少しているが高齢者の胃癌はむしろ増加している。高齢者に対しても若年者と変わらず安全に手術が行えるとする見解も多いが、退院後の栄養障害やADLの低下からQOLが大きく損なわれる症例や他病死するものも少なくないと考えられる。また手術後の補助化学療法についても意見の分かれるところである。各施設における標準手術の適応、手術成績、術後の治療成績について議論していただきたい。
- 閉塞性大腸癌に対する治療方針
Oncologic emergencyの一つである閉塞性大腸癌に対する治療方針は、患者因子・腫瘍因子を考慮し、個々に対応しているのが現状である。2012年大腸癌ステントが保険収載されて以降、Bridge to Surgeryの有用性が報告されてきた。保険収載から10年を経た現在、長期的な経過も含め、改めて本疾患の治療方針について、各種選択肢のメリット・デメリットを討議する場としたい。
- 遺伝性大腸癌に対する現在の取り組みと今後の展望
大腸癌患者数の増加に伴い、日常臨床でも家族性大腸腺腫症とリンチ症候群といった遺伝性大腸癌に遭遇する機会が増えてきている。2020年に治療ガイドラインが改訂され、一般臨床家でも本疾患に対する理解が広がるとともに、遺伝学的検査や遺伝カウンセリングが積極的に行われるようになってきた。各施設での遺伝性大腸癌の診断・治療に対する取り組みと今後の展望について論じていただきたい。
- 直腸癌に対する至適アプローチ法
骨盤深部の直腸癌手術は高難度とされてきたが、腹腔鏡の導入による拡大視効果や微細解剖の把握などの利点から、腹腔鏡手術が一般的になってきている。さらに2018年に保険収載されたロボット支援下手術や腹腔側アプローチの欠点を克服するtaTMEといった新たなアプローチ方法での手術数も年々増加してきている。それぞれのアプローチ方法における手術適応やメリット・デメリットについて、その治療成績とともに論じていただきたい。
- 肝細胞癌に対する肝移植
肝がん診療ガイドラインにおいて肝移植は肝細胞癌治療の選択肢の一つとされている。肝細胞癌に対する肝切除やラジオ波、TACEなど他治療によるbridgingやdownstaging、または再発肝細胞癌に対するsalvage肝移植の現状、拡大ミラノ基準(5-5-500基準)による影響など、本セッションでは各施設における肝細胞癌に対する肝移植の現状・成績と展望を発表していただきたい。
- 肝移植後の長期成績
本邦の肝移植は1990年代から本格的に臨床現場に登場し、現在までに国内累計で10000例を超える実績が積み重ねられ、末期肝不全に対する標準治療のひとつとして確固とした評価を得ている。しかしながら、生体・脳死とも増加せず、COVID-19の影響もあり、移植を受けられずに命を落とす多数の末期肝臓病患者が存在し、未だ克服すべき課題は多い。また、近年の肝移植を取り巻く状況は大きな変化を生じ、B・C型肝炎ウイルスの治療は大きく進歩し、今後は非代償性肝硬変の主成員がウイルス性からNASHやアルコール性にシフトすることが予想され、新たに予後不良の病態としてACLFの移植の是非も議論されている。本セッションでは、各施設における肝移植の長期成績を振り返り、その進歩と現状ならびに今後の課題について示していただきたい。
- 腹腔鏡下胆嚢摘出術中の胆管損傷時の対応
腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)は低侵襲であり良性胆嚢疾患の標準術式となっている。しかしながら術中胆道損傷(BDI)の発生率は0。4-0。6%と報告されており、看過できない問題である。急性胆嚢炎・胆管炎診療ガイドライン(TG18)にはBDIを回避するための方法は示されているが、実際にBDIが判明した場合の対応に関しては明確な指針がないのが現状である。またBDIには損傷形態や損傷部位のvariationが多くその修復方法も多岐にわたる。本セッションにおいて、LCにおけるBDIの対応について各施設の方針や問題点について議論いただきたい。
- 膵神経内分泌腫瘍に対する治療戦略
膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine neoplasms:PanNENs)は画像検査の進歩により増加傾向にあり、その中でも非機能性 PanNENs は半数以上を占めている。非機能性 PanNENs の治療方針は、原則外科的切除であるが、その術式は局在やリンパ節転移のリスクを考慮して、核出術やリンパ節郭清を伴う膵切除術が提案されている。一方で、小病変については経過観察が一つの選択肢と挙げられており、一定の見解が得られていない。本セッションでは、各施設での膵神経内分泌腫瘍の治療戦略とそのアウトカムについて提示いただきたい
- 呼吸器外科手術におけるナビゲーションサージェリー
触知困難な小型肺病巣の局在同定のために、術前マーキング、Cone-beam CT・色素・ICGなどによる術中マーキング、VAL-MAPなど様々な工夫が試みられている。本セッションでは、各施設で実際に行われている手技についての解説と、具体的な方法、手技上のコツなどを経験豊富な先生から示していただきたい。
- オンコプラスティックサージャリーの新たな試み
オンコプラスティックサージャリー(OPS)は、組織学的に乳癌の原発巣を完全に切除すると同時に乳房の形状を最大限に維持することを目指す手術であり、乳腺外科と形成外科の両方技術の融合が要求される。 近年、術後整容性への要望が高まり、また、BRCA遺伝子陽性患者に対する予防切除術も行われるようなったことに伴い、日本国内におけるOPSの重要性は益々認識されている。その臨床実情、成績及び問題点について、乳腺外科と形成外科の両方専門医から発表していただき、OPSの可能性とその限界などを論議していただく。
- より安全、安心な頚部手術を行うためには-術後合併症を回避するための工夫-
甲状腺・副甲状腺などに対する頚部の手術では、手術自体の侵襲度は大きくなくとも、何らかの合併症を惹起した場合、重篤な状態を招く場合がある。術後反回神経麻痺、副甲状腺機能低下症さらに術後出血による窒息、あるいは甲状腺針細胞診検査における合併症などがあげられる。これらを回避すべく、各施設の対策として定めた各種safety net や手術手技自体の工夫、あるいは神経刺激装置、近赤外線カメラなどのツール利用など、いかに外科医が安全で確実な手術を行い、安心して術後を迎えているかの持続可能な対策を紹介していただきたい。
- 腹壁ヘルニアに対する術式と適応
腹壁(瘢痕)ヘルニアはその発生部位や大きさなどにより難易度が異なるが、その適応と術式に関してのコンセンサスは得られていない。メッシュの留置部位、アプローチ法などによる各術式の相違・問題点を明らかにして欲しい。また、術後合併症や腹壁機能などの手術成績についても論じていただきたい。
- 鼠径部ヘルニアの手術手技
鼠径部ヘルニア治療では従来の組織縫合法から tension free 術式のメッシュ法が普及し現在に至っている。しかしながら、鼠径部ヘルニアの術式は多種多様であり、アプローチ法(鼠径部切開法、腹腔鏡下手術)やメッシュの種類なども施設や術者により異なる。本セッションでは各施設で施行されている鼠径部ヘルニアの手技と治療成績を示してほしい。
- 救急疾患における漢方薬治療の役割
「漢方薬は効果が出るまである程度時間がかかるため、救急医療とは対極にあるものである。」という認識が一般的である。また、救急的に内服薬を投与する時期は遅い傾向にある。しかし、漢方薬に対する薬理作用が詳細に解明されつつあり、漢方理論を考慮せず病名処方でも有効性を得られる症例も存在する。
漢方薬治療は本来、救急医療現場では直結しにくい治療法ではあるが、実臨床の現場でどのような疾患に、どのような漢方薬を、どのような時期に使用すればよいか、経験を踏まえ議論していただきたい。 - COVID-19陽性腹部救急疾患の対応
COVID-19感染症の発生から2年が経過し、この感染症への対応も新たなフェーズを迎えている。感染患者の増加に伴い、救急搬送されるCOVID-19陽性患者への対応を経験した施設も多いと思われる。現在、救急外来などではCOVID-19感染症の曝露のリスクを常に念頭に置き、各施設で対応しているが、一定の見解は確立されていないと思われる。このセッションでは、特に腹部救急疾患に焦点を絞り、COVID-19感染症曝露の対応、初期治療の方法、専門治療医への連携などについて議論していただきたい。
- 手術手技伝承のためのSDGs
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能な社会の実現を目指す世界共通の目標である。2030年をターゲットイヤーとし、17の目標と169のターゲットから構成されている。17の開発目標を重視した各施設の手術手技伝承のための教育手法について、発表いただく。
- 外科医の行うべき化学療法と緩和医療
化学療法や緩和医療について、近年は都市部を中心に専門医による医療提供体制が構築されつつあるが、地方の中規模以下の病院では現在でも外科医が主体的に関与しているものと推測される。本セッションでは外科医が行うべき化学療法と緩和医療について、どこまでやるべきで、どこからやるべきでないのか、一定の基準を提示いただきたい。
- ロボット支援下手術における若手の教育の現状とこれから
ロボット支援下手術の普及に伴い、若手外科医がロボット支援下手術に携わる機会も増えてきた。それに伴い、若手外科医の教育が非常に重要となってくる。現在、術者として手術を行っている外科医のほとんどは腹腔鏡手術に精通しているが、今後ロボット支援下手術からスタートする若手外科医もでてくるであろう。またロボット支援下手術はソロサージェリーであることが多く、そこにどのように若手外科医が参加していくかも今後の課題と思われる。シミュレーターやデュアルコンソールシステムの活用、各場面での術者交代など各施設での若手外科医の教育の工夫や今後への展望を討議いただきたい。
- 減量・代謝改善手術の治療成績
わが国では2014年に内科治療抵抗性の高度肥満者に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が保険収載され、その導入施設数・手術例数とも急速に増加している。また、2021年に日本肥満症治療学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会の3学会により、減量・代謝改善手術は2型糖尿病に対し検討するべき治療選択肢として位置づけられ、さらなる増加が予想される。
本セッションでは各施設での減量・代謝改善手術の短期および長期的な減量効果や肥満関連疾患の改善効果をご提示いただき、その問題点や今後の展望についてご討議いただきたい。 - 小児外科疾患の術後機能評価と今後の展開 ―よりよい機能を目指してー
食道閉鎖症や鎖肛、ヒルシュスプルング病をはじめとする小児外科疾患では、術後機能を重視して低侵襲手術の導入や手術術式の工夫などを重ねてきた。加えて、術後もさらなる機能改善を目指して、機能評価法を組み合わせたトレーニングにも取り組んでいる。本セッションでは、様々な小児外科疾患の術後成績を各施設における術式やトレーニングの工夫を術後機能の点から評価していただき、今後のさらなる機能改善に向けて議論していただきたい。
- 地域における外科医の使命
近年、外科は専門化、細分化されているが、地域においては依然として外科手術、化学療法、救急医療、緩和ケア、コロナ診療他、様々な役割を担っている。また、外科領域においても専門外の疾患に対して術前検査、手術、化学療法、術後フォローを行う機会もある。その一方で、地域においても専門医の取得、サブスペシャリティーの育成を課せられる。今回、様々な地域、規模の施設において外科医がどこまで関わっているのか、現状と取り組みについてご討論をお願いしたい。
- 地域外科医を確保するために
地域医療において外科は必須である。そのため近年の外科志望者の減少は地域外科医療に多大な影響を及ぼすことになる。外科のやりがいは以前と比べ低下しておらず、外科の魅力を感じる医学生や研修医が多いのも事実である。そこから外科医の増加につながらない原因の一つに外科医の魅力の伝え方の問題がある。また、解決策として女性外科医の育成や地域格差の是正も重要となる。様々な施設、地域で外科医の確保と育成に取り組んでいる現状と取り組みについて議論していただきたい。
- 内視鏡外科手術普及による功罪
これまでに内視鏡外科手術は低侵襲、手術精度の向上他、様々な利点が証明されてきた。その一方でディスポーザブルの材料が多く使われ医療廃棄物は増え続けている。また待機手術、緊急手術ともに内視鏡外科手術の適応が拡大される際には、合併症の増加や新たなピットフォールが見つかる機会がある。そのため、高難易度手術や新たな適応拡大の際に、安全の担保と治療精度の維持のため様々な準備と工夫が必要となる。各施設における内視鏡外科手術の功と罪、そして罪を抑えるための取り組みについて議論していただきたい。
<ビデオパネルディスカッション>(公募・一部指定)
- 壁外浸潤大腸がんの治療
壁外浸潤大腸癌に対する治療として、周辺臓器切除も含めた根治的拡大手術や化学療法±放射線治療による集学的治療を先行した根治的切除術など様々なアプローチ法が考えられる。拡大手術を行う場合、術中偶発症・術後合併症の回避だけでなく、他臓器の機能温存を考慮した術前から手技・術後まで様々な工夫が必要である。本セッションでは、壁外浸潤大腸癌に対する治療戦略を提示していただき、安全かつ根治性を担保した治療を行うための共有すべきポイントやピットフォールなどについて議論いただきたい。
- 結腸癌に対する体腔内吻合の問題点と工夫
体腔内吻合は腸管授動範囲や皮膚切開創の縮小などによる患者負担の軽減が期待されているが、腸管開放に伴う感染や腫瘍細胞播種による再発が懸念される。吻合法には機能的端々吻合・Overlap法・デルタ吻合などがある。さらに、結腸-結腸吻合や結腸-小腸吻合も場合も加わることで、吻合法のバリエーションは多様で手技上の工夫を要する。本セッションでは、体腔内吻合の問題点を挙げ、確実・安全に施行するための問題点と工夫について議論いただきたい。
- ロボット支援下ヘルニア修復術の現状と問題点
ロボット支援下ヘルニア修復術は、近い将来の保険適用が予定されており今後の急速な普及が予想される。従来の腹腔鏡下ヘルニア手術と比較して、現状のロボット支援下ヘルニア修復術の利点や問題点などを含め今後の展開について討論していただきたい。
<ワークショップ>(公募・一部指定)
- 食道再発癌への治療戦略
食道癌術後再発は2年以内が多いと報告されている。CheckMate577試験で術前化学放射線療法後に切除された食道癌、食道胃接合部癌において、ニボルマブ投与群はプラセボ投与群と比較して有意な無病生存期間の延長を認めた。ステージII、IIIへの標準療法である術前化療のあと手術を行った症例への適応についてはさまざまな意見があるところである。術後再発予防に向けた経過観察、術後補助療法への適応症例、その治療について議論いただきたい。
- 腹腔鏡下手術における脾門部リンパ節郭清の現状
現在大弯にかからない進行胃癌に関しては脾門部の郭清を省略することが一般的となっており、胃上部の大彎に浸潤する進行胃癌に対する治癒切除では、脾摘による完全郭清が望ましいとされている。本邦では脾臓温存による脾門部郭清がJCOG1809試験のもと行われているが難易度が高く、郭清効果や治療成績に関しては議論の分かれるところである。本セッションでは両手技における手技の工夫や治療成績について討議いただきたい。
- 胃癌に対するナビゲーションサージェリーの工夫
近年、胃切除におけるセンチネルリンパ描出、切除範囲決定のマーキングや吻合部血流評価目的にICG蛍光標識が用いられることが多くなっている。これらの手技は未だ一般的ではなく、治療成績としての見解も意見が分かれるところである。本セッションでは各施設における手技の実際や工夫、評価の方法、治療成績、今後の展望について討議いただきたい。
- 進行胃癌に対する周術期化学療法
近年の胃癌化学療法の進歩に伴い、化学療法後に手術が行われる症例が増加しており、切除可能症例に対するNeoadjuvant Chemotherapyと、切除不能例に対する化学療法後の手術(Conversion Surgery)に大別される。いくつかの臨床試験が進行中であり、いずれも未だ適応や術式などが定まっているとは言えない。一方で、わが国においては、術後補助化学療法を中心とした治療開発が行われてきたという現状もある。各施設の適応、投与タイミング(術前 or 術後)、化学療法のレジメン、術式などについての見解を討議いただきたい。
- 内視鏡・腹腔鏡下合同手術の現状
Laparoscopy Endoscopy Cooperative Surgery(LECS)や内視鏡的胃全層切除術(CLEAN-NET)は、主に胃粘膜下腫瘍に対して内視鏡と腹腔鏡下手術のコラボレーションにより至適な胃切除、縫合閉鎖を行う術式である。近年では、術後残胃の変形の少なさや噴門病変でも噴門側胃切除や胃全摘術が回避できるなどの利点から胃癌にも適応を広げつつある。一方で、腫瘍の大きさ、形態、局在によりその手技の難易度は多岐にわたる。本セッションでは、内視鏡・腹腔鏡下合同手術の適応、新たなる展開について広く演題を募集し、今後の展望について討議いただきたい。
- GISTの治療
GIST治療の基本は外科切除であるが、転移症例には薬物療法としてイマチニブに加え、スニチニブ、レゴラフェニブが承認されている。GISTは希少がんの中では分子メカニズムが良く解明されているが、未だに診断治療で多くの課題を抱えている。本セッションでは、GISTの診断、外科治療、薬物治療、集学的治療の現状と今後の展望について討議いただきたい。
- 胃癌術後障害の評価と予防
胃切除後にはさまざま障害がおこることが知られているが、その正確な評価は難しく治療が確立しているとはいい難い。胃切除後障害を効率よく拾い上げ対応するためのPGSAS調査票が開発されている。今回、各施設における使用成績や効果等についてご報告いただきたい。また、PGSAS next studyやPGSAS以外の評価法や各施設における術後障害への対応や予防方法についても討議していただきたい。
- PTEGの有用性と普及に必要なもの
経皮経食道胃管挿入術Percutaneous Trans-Esophageal Gastro-tubing (PTEG)は、経皮内視鏡的胃瘻造設術Percutaneous Endoscopic Gastrostomy (PEG)が造設不能もしくは困難な患者さんにも、簡便かつ安全で低侵襲に造設が可能な頸部食道瘻造設術である。PEGと同様に、主に経管経腸栄養法や腸管減圧法に用いられるが、未だに普及しているとは言い難い。今回は、PTEGの有用性、QOL向上への取り組み、啓蒙活動の工夫など、各施設からの前向きな演題を期待する。
- 直腸癌局所再発の治療
直腸癌局所再発に対する根治切除が可能な症例もあるが、再発形式は様々で定型化が難しい。他臓器や血管と近接した病変に対して、根治的拡大手術は術中偶発症・術後合併症の頻度が高く様々な工夫が必要である。さらに、術前放射線治療や周術期化学療法などの集学的治療の有用性が検証されている。また、局所の病変制御に限らず、遠隔臓器再発の予防も重要である。本セッションでは、直腸癌局所再発症例に対する外科治療の意義や工夫、集学的治療の有用性などについて議論いただきたい。
- 進行直腸癌に対するTotal Neoadjuvant Therapy
本邦の遠隔転移のない直腸癌の標準術式は手術+補助化学療法であるが、進行直腸癌は結腸癌に比べて根治術後の再発転移率が高く、満足の行く治療成績が得られていないのが現状である。近年、進行直腸癌対して局所再発と遠隔転移の制御のため、欧米を中心に術前化学療法とCRTを併用したTotal neoadjuvant therapy(TNT)が発達してきており、本邦でも導入する施設が増えている。本ワークショップでは、各施設のTNTの適応、取り組み(外科・腫瘍内科・放射線科の連携など)、治療成績など議論していただきたい。
- 炎症性腸疾患に対する腹腔鏡手術
本邦では大腸癌に対する腹腔鏡手術が一般的となり手技が発達したことにより、炎症性腸疾患に対する腹腔鏡手術も増加傾向である。その一方で、潰瘍性大腸炎は大腸亜全摘や回腸嚢作成など通常の大腸癌手術と異なる手技を行い、クローン病は瘻孔や膿瘍形成により腹腔内が複雑化している症例や、再手術症例も少なくなく、施設の経験を考慮し適応を決定する必要がある。本ワークショップでは、腹腔鏡手術の適応や手術における工夫、治療成績、今度の展望などについて議論していただきたい。
- 複雑性虫垂炎の治療方針
穿孔や膿瘍形成を伴う複雑性虫垂炎の標準治療は緊急虫垂切除であるが、単純性虫垂炎と比べて術後合併症の発生率が高く、回盲部切除などの拡大手術を要することもある。そのため保存的加療後の待機的虫垂切除(interval appendectomy)も選択肢となるが、方針の選択について明確な基準はない。本ワークショップでは、複雑性虫垂炎に対する各施設の治療方針について、治療法の選択基準や手術を行うタイミング、手術のアプローチ方法(開腹、腹腔鏡)など様々な観点より議論していただきたい。
- 肝切除におけるナビゲーション
肝切除術においては、術前3次元画像解析にて腫瘍の局在や肝内の脈管走行を確認する術前シミュレーションが重要であるが、術中リアルタイムに手術野に反映することができればその安全性などに寄与する可能性がある。各施設で行われているICG蛍光法やプロジェクションマッピングなどの術中ナビゲーションの実際を呈示していただき、その手術成績および将来の展望などについて議論していただきたい。
- Intermediate stage HCCに対する治療戦略
肝細胞癌に対する薬物療法は、6レジメンが保健診療で使用可能となり、進行肝細胞癌治療のパラダイムシフトが起きている。Intermediate HCCの世界的な標準治療はTACEだが、本邦ではTACEに加えてHAIC、肝切除、薬物療法も選択可能で、症例に応じた効果的な集学的治療の構築が予後改善に繋がると考えられている。各施設におけるIntermediate HCCに対する治療適応、切除成績、切除例に対する周術期薬物療法など様々な観点から予後改善の工夫を議論していただきたい。
- 胆道癌における周術期補助療法の有用性
胆道癌は外科切除のみが根治を期待できる治療法であるが、R1切除となる頻度も高く、R0切除であっても術後再発率は高い。しかしながら、現在までに報告されたランダム化比較試験やメタアナリシスの結果において、エビデンスのある胆道癌術後補助療法は確立されていないのが現状である。本セッションでは胆道癌における化学療法だけでなく放射線療法等を含めた術前・術後治療の各施設での治療法や治療成績を提示いただき、その治療戦略を討議いただきたい。
- 進行胆嚢癌に対する術式選択と治療成績
進行胆嚢癌に対してはその進展様式や病期に応じて様々な治療法が選択される。特に周囲さまざまな臓器に直接浸潤する胆嚢癌(cT3)は切除適応の境界に位置し、術式も標準化されておらず治療法決定に難渋する。今回はこの胆嚢癌(cT3)における肝実質、胆管、十二指腸などへの浸潤に対し、肝浸潤や胆管浸潤の評価方法及びその至適な切除範囲の設定、十二指腸浸潤に対しての膵頭十二指腸切除術(PD)及び肝切除を伴うPDの是非など、診断から術式選択とその治療成績を提示いただき、議論を行いたい。
- 膵癌における低侵襲膵切除術の適応と治療成績
膵低侵襲膵手術は安全性確保の観点から諸外国と比較し普及は遅れたが、高難度手術導入おける様々なシステムが構築され、導入する施設が少しずつ増加している。またそれらは、従来の開腹手術に比べて遜色のない治療成績が報告されている。膵癌に対する外科治療の基本は根治切除であり、低侵襲性膵切除においても過不足のない手術でなくてはならない。本セッションでは、各施設が取り組まれている腫瘍学的観点からみた手術手技のポイント、合併症対策などについて議論していただきたい。
- 膵切除後膵液瘻予防への取り組み
膵切除後の最も注意すべき合併症は膵液瘻およびそれに伴う腹腔内出血や腹腔内膿瘍であり、時に手術関連死亡に直結する。膵液瘻に関わる重要な因子は徐々に明らかになり、近年では膵消化管吻合法・切除断端処理法・周術期管理方法の様々な工夫が報告されているが、依然として施設間において差があり、全体的な治療成績は十分とは言い難い。本セッションでは、術後膵液瘻予防、または膵液瘻の重症化予防の取り組みとその成績をお示ししていただき、今後の課題・問題点についても議論していただきたい。
- 膵癌におけるanatomical resection
膵癌に対する予防的拡大郭清の効果は複数のRCTにより否定され、近年では術前・術後化学療法の役割が大きな比重を占めるようになった。しかし現在もR0切除は膵癌における重要な予後因子であることに変わりはない。膵癌治療成績向上のためには、合併症が少なく過不足のない切除・郭清が求められ、そのためには解剖学的考察に基づく安全な手術が重要と思われる。本セッションでは各施設が取り組んでいる局所解剖に基づいた膵癌に対する手術手技の工夫やアプローチ方法、郭清範囲を治療成績とともに提示、討議いただきたい。
- 担癌症例と心臓血管外科
心臓血管外科では、体外循環を始めとして手術の際に抗凝固を必須とすることがしばしばあり、消化管癌症例においてはそのことが手術の足かせになる。また、体外循環による免疫低下で癌が進行することも懸念される。また癌浸潤(腎癌、肝臓癌、肺癌など)を、心臓大血管外科との共同手術を行うことが有効なこともある。担癌症例において、周術期管理を含め心臓血管外科が貢献出来ることは少なくない。様々な経験を持ち寄り討論したい。
- 胸部外科外傷に伴う胸郭骨折の外科治療
胸部外傷患者には診療科に関わらず誰もが遭遇する可能性があるが、治療方針や搬送先の選択に迷うことも多い。特に肋骨骨折や胸骨骨折などの手術ではその手技が遠隔期成績に影響する。過去の報告では固定具として様々な医療材料が使用されており、その固定方法にも工夫が述べられている。本セッションでは各施設で経験された手術症例を提示していただき、胸郭骨折に対する外科治療について討論していただきたい。
- 乳がん治療における非手術的治療の試み
がんに対する治療全般が、より体に負担が小さい低侵襲治療の方向に向かっているように、腫瘍径がかなり小さいものや低悪性度の乳がんに対して、切らない治療として非手術的療法が研究・開発されて来ている。非手術的療法としては「ラジオ波焼灼療法」「集束超音波治療」「凍結療法」などが挙げられ、治療による入院期間の短縮やQOLの向上に期待が寄せられているが、未だ臨床試験的な段階であり、再発率やその効果についてデータが十分に蓄積されているとは言い難い。この現状を踏まえて、施設での経験を報告いただき非手術的治療の将来を語っていただきたい。
- 再発鼠径部ヘルニアに対するベストチョイスな治療法
再発鼠径部ヘルニア治療では、腹腔鏡下手術のみならず鼠径部切開法でも再手術時の難易度は高いと言える。再発鼠径部ヘルニアに対しての術式は、初回手術で腹膜前修復法が施行されたか否かに応じて、鼠経部切開法または腹腔鏡下ヘルニア修復術が一般的に選択されることが多い。再発形式に応じたベストな診断や術式が存在するのか討論していただきたい。
- COVID-19感染拡大時における外科診療体制の在り方
COVID-19のパンデミックが起こってから2年以上経過している。当初は検査体制が不十分であったため日常診療にも影響が出た。また、コロナ患者入院のためのベッド確保などで、日常診療の縮小を余儀なくされたと思われる。現在は、終息の兆しが見えない中でも各施設工夫しながら診療体制を維持していると思われる。感染者数は第5波、第6波と進むにつれ拡大していっているが、このコロナ禍でどのように外科の診療体制を維持、構築していったか議論していただきたい。
- COVID-19流行期の癌の治療成績
COVID-19のパンデミックが起こってから2年以上経過している。当初は、診療の縮小、協会けんぽの健診の中止などの影響で受診者数の減少が起こった。健診は通常の体制に戻っているが、2020年は健診控えから本来発見されるはずの癌が45000人ほど未発見になっている可能性が示唆されている。コロナ禍において、癌治療を受ける患者数や初診時の病期がどのように推移し、その成績がどうであったか議論していただきたい。
- 集中治療における早期栄養療法開始の実践
2020年度の診療報酬改定から集中治療室における早期栄養介入管理加算が新設された。栄養管理により人工呼吸装着期間やICU在室日数、入院日数、退院後の身体機能やADLの改善がみられるとのデータがあり、集中治療後症候群の予防において栄養管理が期待されている。日本版重症患者の栄養療法ガイドラインでも、栄養障害は予後を悪化させるため病態や臓器の障害を把握し適切なエネルギー必要量や栄養基質を早期に投与すべきである、とされている。各施設の栄養療法の実践を発表していただき、アウトカム、注意点などを議論していただきたい。
- ダイバーシティ推進の障壁になるものを学ぶ
ダイバーシティとは多様な人材を登用し活用することで、組織の生産性や競争力を高める経営戦略として認知されている。医師の働き方改革と関連し、医療機関でもダイバーシティ推進が叫ばれて久しいが、残念ながらその進捗状況は遅々としていると言わざるを得ない。医療機関におけるダイバーシティ・インクルージョンを妨げる要因とその対応策について、活発な討論を期待する。
- 外科医のセカンドキャリアを考える
外科医のキャリアを考える上で避けて通れない、キャリアチェンジの問題。本セッションでは、各界の元外科医による外科医からキャリアチェンジを図るきっかけや成功体験、失敗談、理想のセカンドキャリア等について発表していただき、中堅外科医の働き方改革に資すると同時に若手医師に多くの選択肢を示すことで、外科医の魅力を伝える一石二鳥のセッションとなることを期待する。
<ビデオワークショップ>(公募・一部指定)
- ロボット支援下結腸がん手術の未来
ロボット支援下手術は3D高精細画像の下、モーションスケーリングや手振れ補正機能を有した多関節鉗子を使用することで精巧な手術手技が可能となった。本邦では2018年4月にロボット支援下直腸手術が保険収載され、多くの施設でロボット支援下手術が新規に導入され症例数は増加している。結腸がんのロボット支援下手術は海外においては増加しつつあるが、本邦では保険適応外であるのが現状である。本セッションではロボット支援下結腸がん手術の取り組みを報告していただき、今後の展望と課題について議論いただきたい。
- 骨盤臓器脱の最新外科治療
超高齢化社会に伴い骨盤臓器脱 (pelvic organ prolapse: POP) は増加傾向にある。POP外科手術は骨盤底を解剖学的及び生理的に修復するために他科横断的にさまざまな術式が行われている。脱出した臓器と症状により、経肛門的手術・経膣的手術・経腹的手術などが選択されている。女性の狭義のPOPに対しては2020年4月にロボット支援下仙骨腟固定術が保険収載され、術式の選択肢はさらに広がりを見せている。本セッションでは骨盤臓器脱に対するQOLを考えた外科的治療の適応と低侵襲かつ再発率の低い最新の手術手技について議論いただきたい。
- 直腸癌手術トラブルシューティング
直腸癌手術は鏡視下手術の普及により拡大視野効果での精巧な手術が可能となったが、直腸癌手術は狭い骨盤内にある直腸を自律神経や肛門機能を温存させながら、TMEの完遂とCRMの確保することが要求されるため、今なお高難易度の手術である。周術期の合併症として他臓器損傷や出血のリスクがあり、長期的な腫瘍学的アウトカムや機能障害に影響することも少なくない。本セッションでは腹腔鏡手術とロボット支援下手術における術中の偶発症の経験と対処法について術中トラブルシューティングの視点から議論いただきたい。
- 腹腔鏡下肝切除の工夫と治療成績
肝腫瘍に対する腹腔鏡下肝部分・外側区域切除は標準術式となりつつあり、さらに高難度肝切除に対する腹腔鏡下手術の普及は目覚ましいものがある。各施設で行われている手術手技の工夫や術後短期成績について発表していただきたい。
- 腹腔鏡下再肝切除の工夫と治療成績
再肝切除症例に対する腹腔鏡下肝切除を施行する頻度は明らかに増加しているが、その適応が課題である。各施設の腹腔鏡下再肝切除時の工夫や短期治療成績(コンバート、合併症など)を呈示していただき、その適応について議論していただきたい。
- ロボット・内視鏡時代の術中トラブルシューティング
外科手術において術中のトラブルは出血、臓器損傷など多岐にわたる。ロボット、内視鏡時代においてディスオリエンテーションや鉗子の可動域制限のため、今まで考えもしなかった術中トラブルも起きていると思われる。重要なことはトラブルを起こさないことだけではなく、いかにトラブルからリカバーするかであると考える。開腹移行をするのか、腹腔鏡移行するのか、どのように止血しどのように修復するのか。これまでの術中のトラブルの経験と対処法についてご提示いただき、術中トラブルシューティングの視点から討議いただきたい。
- 医原性血管損傷に対する対処法
医原性血管損傷は起こすべきではないが、胸部消化器外科領域では鏡視下手術などで主要血管周囲へのアプローチで思わぬ血管損傷を起こしたり、心臓血管外科領域ではステントグラフト、TAVIなどの血管内治療やECMOなどの心臓補助装置のアクセスなどで血管損傷を起したりすることも稀ではない。今回は各施設で経験した医原性血管損傷を提示していただき、その対処法について議論していただきたい。
- 小児内視鏡外科手術-私のこだわりと工夫-
新生児、乳児期の疾患でも内視鏡外科手術を導入している施設が増加しているが、疾患毎の症例数が少ないため、小児外科医一人が経験できる症例数には限りがある。加えて、同じ疾患でも症例毎のバリエーションも豊富なため、個々の症例に応じた工夫が必要になる事も経験する。このワークショップでは、先生方の内視鏡外科手術の経験から得られた機器へのこだわり、新たに開発したデバイス、手術手技に関する工夫などについて提示していただき、そのポイントを多くの小児外科医に共有していただきたい。
<要望演題(口演)>
上部消化管
鏡視下食道癌手術の術中トラブルシューティング
食道胃接合部癌への治療戦略
CY1胃癌の治療戦略
胃癌センチネルリンパ節生検の工夫と今後の展望
胃癌肝転移に対する治療選択
こだわりの胃癌リンパ節郭清
ロボット支援下胃切除術のpit-fall
内視鏡外科手術教育への取り組み
消化器癌治療における周術期の栄養戦略
下部消化管
直腸癌に対するロボット手術のトラブルシューティング
炎症性腸疾患関連消化管腫瘍に対する治療戦略
切除不能進行大腸癌におけるConversion Surgery
下部直腸腫瘍に対する肛門温存手術
直腸癌に対する側方リンパ節郭清の手術手技
大腸憩室炎に対する手術手技
潰瘍性大腸炎に対する手術手技
クローン病に対する手術手技
肝・胆・膵
肝内胆管癌の治療戦略
急性胆管炎・急性胆嚢炎の治療
心臓血管
静脈血栓塞栓症(VTE)を合併した外科手術に対する周術期管理
multimodality imagingの心臓血管外科手術への応用
呼吸器
肺癌区域切除後の局所再発に対する手術
高齢者続発性自然気胸の手術適応
縦隔疾患に対するロボット支援下手術
乳腺内分泌
BRCA遺伝子診断による乳癌診療への影響
新規分子標的治療薬による進行再発乳がんの治療
新規薬物療法による甲状腺癌外科治療の戦略変化
乳癌術後局所合併症(感染、血腫など)のマネジメント
小児
小児急性虫垂炎 ―治療方針と手術術式-
小児の外傷治療
小児のリンパ管・血管奇形の治療UpDate
ヘルニア
鼠径部嵌頓ヘルニアに対する治療戦略
内ヘルニアの診断と治療
救急・COVID-19
救急疾患における腹腔鏡手術の功罪
領域横断
超高齢者の外科治療
各領域におけるSSI対策
各臓器手術の縫合不全対策
ロボット手術と腹腔鏡手術の相違点
経済面からみたロボット手術
緊急手術における内視鏡手術の適応
働き方改革
医師の働き方改革:自己研鑽のあり方
医師の働き方改革:ICTの活用
その他
外科医の確保に何が必要か
<要望演題(ビデオ)>
肝・胆・膵
血管再建を伴う肝切除の適応と手技
腹腔鏡下膵切除の工夫
膵癌に対する上腸間膜動脈周囲郭清手技
<一般演題>
※カテゴリーA(臓器別等分類)、カテゴリーB(分野別分類)、カテゴリーC(症例報告か否か)よりそれぞれ該当するものを選択してください。
<研修医セッション> ※Awardあり
本セッションの趣旨は、若手医師(初期臨床研修医)の発表修練の場とすることです。初期臨床研修医の皆様が学んだ症例、研究成果について積極的に発表・討論を行っていただく機会を与えるとともに、優秀な演題について表彰を行うことにより、さらに外科への興味をもっていただくことを目的に、本総会ではこのセッションを重要視しています。基礎はもとより臨床研究を含め、結果には至らない中間報告、経験報告でも結構ですので、多くの応募を期待します。
研修医セッション 応募資格
応募時点で医学生もしくは医師免許取得後2年目以内の初期臨床研修医であれば、日本臨床外科学会会員でなくても応募可能です。
「研修医セッション」を選択いただいた場合には、医師免許取得年をご記入いただきます。
医学生の場合は「00」とご記入ください。
その他、演題登録に関する規定等は下記、演題募集要項をご参照ください。
文字数制限
演題名:全角90文字以内
抄録本文(日本語):全角600文字以内
※上記の文字数を超えると登録できません。
共同演者の登録
共同演者は筆頭演者を含めて15名まで、所属機関は10箇所まで登録できます。
利益相反状態(COI)の自己申告
演題登録時、演者全員(筆頭、共著)の利益相反状態(COI)について申告していただきます。
自己申告が必要な期間は、演題登録日からさかのぼって3年間となります。
また、総会での発表時にも、演題登録日の3年前から発表日までの期間について、自己申告が必要となります。
利益相反状態(COI)の自己申告についての詳細は下記をご確認ください。
<演題登録時の利益相反申告の手順>
概要:利益相反の開示が必要な演題の演者は、下記より「利益相反申告書」をダウンロードし、必要事項記入の上、演題登録システム上にアップロードしていただくことになります。
手順1:ダウンロードした申告書をデスクトップに保存いただき、演題登録前に必要事項をご記入の上、Wordファイルにて保存してください。
※申告項目がない項目については、「該当の状況」に「無」と記載してください。
※当該演者と企業名等および利益相反状態が発生した年(西暦)が分かるよう記入してください。
手順2:演題登録ページに入り、必要な全ての項目を入力後、登録完了画面に表示される「論文ファイルのアップロード」より申告書をアップロードしてください。
※ここまで終了しますと、すべての登録が完了となります。
演題採否
演題採否は第84回日本臨床外科学会総会事務局により決定いたします。
演題申込の分野などに関しましては、ご希望に添えない場合もございますので予めご了承ください。
演題採否ならびに発表日時・会場は、9月下旬頃にご登録いただいたメールアドレス宛にご連絡いたします。
受領通知
演題登録完了後、入力した電子メールアドレス宛に確認のメールが自動配信されますので、必ず内容をご確認ください。
はがき等での通知は行いませんので、ご了承ください。
確認のメールが届かない場合は、電子メールアドレスが間違って入力されている可能性がありますので、確認・修正画面から正しく登録されているかをご確認ください。
※Gmailでご登録いただいた際には、演題登録完了後の自動返信メールが届かない場合がございます。必ず、登録時に表示される演題番号を手元に控えるようお願いします。
登録画面
暗号通信
平文通信 ※暗号通信が使えない場合にのみ以下をご利用ください。
演題登録に関するお問合せ
第84回日本臨床外科学会総会 運営事務局
〒810-0002 福岡市中央区西中洲12-33 福岡大同生命ビル7階
日本コンベンションサービス株式会社 九州支社内
E-mail: (84jsa[あ]convention[ど]co[ど]jp([あ] を @ に,[ど] を . に変えてください。)