第75回日本食道学会学術集会
会長 岩切 勝彦
(日本医科大学 消化器内科学)
このたび、第75回日本食道学会学術集会会長を拝命し、令和3(2021)年9月23日(木)、24日(金)の両日、ヒルトン東京お台場で開催させていただくことになりました。歴史と伝統のある本学術集会の会長を務める機会をいただきましたことを大変光栄に存じますとともに、責任の重さに身の引き締まる思いであります。
本学会は、昭和40(1965)年に食道疾患研究会として設立され平成15(2003)年より学会に移行、平成27(2015)年に50周年を迎えております。現在は内科、外科、放射線科などの臨床医学と、病理学や生理学などの基礎医学も含めた多領域に亘る医師が参画する横断的な学会となっています。そして多くの先人達のご尽力ならびにご業績により、診療ガイドラインや診療指針を発刊し、医療水準の均てん化を図るとともに世界トップレベルの治療成果を誇っております。
本学会が主に扱う疾患は食道癌でありますが、近年、本邦においても欧米と同様にGERD、食道運動異常症、好酸球性食道炎等の食道良性疾患の増加が報告され、これら疾患に対する研究を行う若手研究者も増えて参りました。しかし、これらの食道良性疾患をまとめて討論する場は少なかったのでないかと思います。海外における学会での食道セッションを見るとは悪性疾患として食道癌、良性疾患としてのGERD、食道運動異常症が大きな二つの両輪となっております。
第75回学術集会は4年に1回の非外科系の会長である私が担当をさせていただきます。私は一貫してGERDの診断・病態・治療を中心に、食道良性疾患に対する研究を行ってまいりましたので、本会では本学会の中心的な検討疾患である食道癌に加え、近年増加傾向にある食道良性疾患の基礎から最先端までを学べる学術集会にしたいと考えました。そして、日本食道学会を食道癌だけでなく食道良性疾患を学び、研究を討論できる学会にできればと考えております。今後、食道良性疾患が本学会において食道癌に並ぶ大きな両輪となり、他領域の診療科、多職種の方々と一丸となり、食道学が更に発展することを期待して、本学術集会本学会のテーマを「チームで奏でる食道学の未来」と致しました。
今回は、理事長講演、会長講演、会長特別企画、シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップなどを企画し、更には医師のみならず医療従事者との連携によるチーム医療に関しても数多く取り上げていきたいと考えております。
鋭意準備を進めて参りますので、多くの皆様にご参加いただけますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。