第63回日本老年医学会学術集会
会長:葛谷 雅文
(名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年科学 教授 /
名古屋大学未来社会創造機構 教授)
この度、第63回日本老年医学会学術集会の会長を仰せつかりました葛谷でございます。本学術集会の名古屋での開催は4年前に当時の国立長寿医療研究センター病院長の鳥羽研二先生が第59回を主催された2017年以来という事になります。名古屋大学老年科(現、地域在宅医療学・老年科学)としては第45回、2003年に井口昭久先生、その前は第31回、1989年に私の父親の葛谷文男が会長を務め、18年、32年ぶりということになります。
今回の学術集会のテーマは「高齢化最先進国の医療の在り方 ー老年医学から超高齢社会への提言ー」といたしました。日本は紛れもなく高齢化率断トツであり、世界に先駆けて超高齢社会に突入しています。現在日本で問題になっている超高齢社会の出来事は間違いなく数年後に欧米、そしてアジアの国々に起こることです。世界に先駆けての介護保険制度、現在なお進行中の地域包括ケアシステム、健康寿命の延伸計画などは他の国々にも少なからず影響を与えることは間違いありません。我々はこれらのシステムやプロジェクトにより、高齢者が医療・介護、日常の生活に恩恵を受けるものに構築していく必要があります。
日本老年医学会は今までも高齢者の医療・ケアに関して様々なアクションを行てきました。それら老年医学からの発信は高齢化最先進国の我が国にとって大変重要な提言、指針であったと思います。高齢化最先進国においての高齢者医療の在り方は今後も世界中から注目されるでしょう。その意味でも高齢者の医療・ケアに特化した当学会の役割は今後も大変大きいものです。それらの思いを込めて今回のテーマとさせていただきました。
第63回の学術集会は第32回日本老年学会総会の分科会としての役割もあります。高齢者に関する医療・ケア・基礎研究に関わる方々が一堂に集まることもあり、多職種・多分野交流の場となり皆様にとって意義深い会になることを期待しています。
なお、COVID-19の拡大が続いています。当学術集会開催予定の2021年6月の国内のCOVID-19予測が難しい状況です。安全に学術集会を実施するためオンライン開催の可能性を含め、なるべく早く決定し皆様にご通知するつもりです。いずれにしろ、充実した学術集会を目指して準備を進めたいと思います。会員の皆様には是非ご協力をお願い申し上げます。