第48回日本肩関節学会学術集会 会長
医療法人三仁会 あさひ病院 スポーツ医学・関節センター長
岩堀 裕介
この度、第48回日本肩関節学会学術集会を2021年10月29日(金)、10月30日(土)に、ウインクあいち(愛知県産業労働センター、名古屋市)にて開催させていただく事となりました。日本肩関節学会は、肩関節領域において世界で最も歴史のある学会であり、国内のみならず世界に向けて貴重な情報を発信し続けております。整形外科分野の中でもその専門性の高さと学術集会の熱気は日本でも有数の学会であり、本学術集会を主宰できることは非常に名誉なことと考えております。東海地区で開催されるのは初めてのことであるため、その喜びはひとしおであるとともに身の引き締まる思いです。1988年10月に本学会に入会して32年、2008年11月に幹事(現在の代議員)となって12年の年月が経過した私にとって、本学術集会は集大成と恩返しの場と考えております。
学会のテーマは、私の人生のモットーである「プロ意識、熱意、思いやり(professionalism, passion, empathy)」とさせていただきました。日常診療や研究活動において、この3つ項目はいずれも欠けてはならないと考えており、その想いを本学会のスローガンに掲げ、特別講演、シンポジウム、パネルデイスカッション等のプログラムを企画中です。腱板断裂や外傷性肩関節前方不安定症のほか、投球障害肩、胸郭出口症候群、肩関節多方向性不安定症など病態解明や治療方針に課題の多い病態にもスポットライトを当てたいと考えております。日本肩の運動機能研究会とのCombined sessionでは、元プロ野球、学生野球部監督、トレーナーの方々にも加わっていただき、投球障害肩の予防・治療への取り組みを議論することを計画しています。
本学術集会の参加者数は、併設の日本肩の運動機能研究会を含めますと、近年増加して1,600名を超えるまでになりました。2020年の第47回はCOVID-19禍の中、末永直樹会長の熱意とご尽力によりハイブリッドでの開催に漕ぎ着けましたが、参加者数の大幅な減少を余儀なくされました。2021年の第48回は、この逆境を何とか跳ね返して、肩関節を愛する会員の皆様に是非、日本の中心に位置する名古屋に集まって熱い議論を繰り広げていただきたいと思います。医療法人三仁会関係者のほか、名古屋大学整形外科同門会、東海地区の会員の先生方のご協力を仰いで、できる限りの準備をしていく所存ですので、会員の皆様のご参加を宜しくお願いいたします。