第41回日本骨代謝学会学術集会
会長 竹内 靖博
(虎の門病院)
第41回日本骨代謝学会学術集会は2023年7月27日~29日に東京で開催されます。本学会の会長を務めることは大変に光栄なことであり身の引き締まる思いでございます。様々な領域にまたがる多くの会員の皆様にご満足いただける学会にすることを大きな目標として、大任を果たしてまいりたいと思います。
本学術集会のテーマは「運動器としての骨、代謝ネットワークからみた骨」といたしました。骨代謝の研究の歴史には、硬組織である骨の謎を組織学の視点から解明する試みと代謝学の視点から追求する取り組みという二つの大きな流れがあります。そしてこれら二つの潮流はお互いに交わり、本流となって脈々と続いています。さらに、科学の進歩により遺伝子工学、発生工学および細胞生物学の潮流も骨代謝学に及ぶこととなり、多くの学問領域が統合される領域として骨代謝学の発展が続いています。硬組織である骨をダイナミックな代謝の視点から捉えるという考え方こそが、今日の日本骨代謝学会ひいては骨代謝学の隆盛をもたらしたといえるでしょう。このような背景を振り返るにつけ、先人達の先見の明に改めて感嘆するところです。そして現在の日本骨代謝学会は、骨代謝という領域を超えて、広く運動器に関連する課題を科学の視点から解明することを目指す場として、大きな広がりをみせています。
7年ぶりの東京での開催ということもあり、初心に返って、開催地には日本骨代謝学会が産声を上げてからしばらくの間、毎年利用されていた都市センターホテルを選びました。改めて、本学会が誕生の時点から持っていた、多様な領域に広く開かれた気風と文化を大切にして、学術集会の企画と運営を進めてまいりたいと考えております。
パンデミックも4年目を迎える時期ではありますが、どのような形態で学会を開催することが適切であるのか、依然として正解を見つけることは困難な状況です。関係の皆様のご指導やご助力を仰ぎながら、2023年7月において最善な学術集会を提供できるように鋭意準備を進めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。