第35回日本喉頭科学会総会・学術講演会
会長 平野 滋
(京都府立医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
このたび第35回日本喉頭科学会を京都の地で主催させて頂くことになりました。本学会は耳鼻咽喉科領域の一つの重要な柱である喉頭科学に特化した、極めて専門性の高い学会です。1989年に創立されましたが、初代理事長は故平野実久留米大学名誉教授で私の父にあたります。約35年の時を経て本学会を主催することは大変な光栄であるとともに、身の引き締まる思いです。医局員一同、学会の成功に全力を挙げて取り組みたいと思います。
喉頭科学には解剖・生理、病理、音声外科、音声治療、がん治療など幅広い分野が含まれます。日本の喉頭科学はこの50年間に飛躍的進歩を遂げましたが、一方で世界、特に米国の追い上げは凄まじく、世界の主導権は握られてしまったと言えましょう。その中で日本の力は科学力と開拓精神にあり、いまだ未解明な分野、治療法の確立されていない分野への取り組みが最重要課題かと考えております。そのような経緯で、今回のテーマは「Sustainable Challenge」とさせて頂きました。未解明・未解決な分野への弛まない挑戦を続けようということで、声帯瘢痕、喉頭感覚フィードバック、進行喉頭癌の機能温存戦略などを取り上げる予定です。
学会は中身が大事と考えております。良いプログラムに全力で取り組みますので、奮ってのご参加・ご発表を心よりお待ちしております。