大阪市立大学大学院医学研究科 救急医学 教授
溝端 康光
今回、第34回日本救命医療学会の会長を拝命しました、大阪市立大学大学院医学研究科救急医学 溝端康光です。歴史あるこの学会を開催させていただく事は大変名誉なことであり、学会員の皆様に深く感謝申し上げます。
さて、本学術集会を開催するにあたり、メインテーマを「リサーチマインドを育む」としました。日々救命救急医療に携わる若手医師の先生がたの研究意欲を高める学術集会としたいと考えています。救急医療は実学の最たるものであり、そのなかでは日々の診療で芽生えた疑問を臨床研究や基礎研究を通して解明していくことが求められます。患者診療に日夜奔走している若手医師にこそ多くの疑問が生まれますが、彼らが疑問を解明するには、リサーチの基本的な進め方、検証方法、論文等による発表手法を修得することが必要となります。本学術集会では、「エキスパートに学ぶ」というセッションを設け、指導的立場にある先達医師より、システマティックレヴュー、統計、論文投稿というテーマで教育的な講演を賜りたいと考えています。また、若手医師のなかには自らのリサーチを通してすでに広く活躍している方も多くおられます。このような優れたロールモデルは、リサーチへの意欲を生み出すきっかけとなると考えられます。今回の学術集会では、「若手研究者に習う」としたセッションを設け、その素晴らしい取り組みをご発表いただきたいと考えています。
特別講演には、智辯和歌山高等学校野球部名誉監督 高嶋仁様にご講演いただきます。高嶋名誉監督は、高校野球の監督として38回の甲子園出場、通算68勝、勝率6割6分、全国制覇3回という素晴らしい成績をのこされ、最近ご勇退なされました。高嶋名誉監督から、強いチームの作り方、優秀な選手の育成についてのお話をいただき、若手医師教育におけるヒントを得たいと考えています。
また、イブニングセミナーでは、大阪市立大学大学院医学研究科 臨床感染制御学 掛屋弘教授にご講演いただきます。救命医療における感染対策、抗菌薬使用法等のご講演を頂く予定です。
今回の学術集会は大阪市立大学医学部学舎を会場として開催します。参加される皆様にとって実り多き学術集会となるよう教室員一同精一杯頑張ります。至らぬ点も多いかとは思いますがご容赦いただけますと幸いです。
大阪の地で多く学会員の皆様にお会いできる事を楽しみにしています。