第32回日整会骨系統疾患研究会にあたって
会長 北野 利夫 
(大阪市立総合医療センター小児整形外科)

 新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を考慮して第32回日整会骨系統疾患研究会をオンライン形式により開催させていただくことになりました。一般演題の発表動画は、令和2年11月28日(土)から12月12日(土)にオンデマンド配信。ライブセッション・討論会、特別講演、ウェブ教育研修講演会は、併催の第31回日本小児整形外科学会学術集会(服部 義 会長)オンライン開催期間中の12月5日(土)午後に、ライブ配信いたします。いずれもオンライン形式ですので、お住まいの地域に留まったままご参加ください。
 骨系統疾患は小児整形外科との関連が大きいと思われがちですが、軽症例は骨系統疾患と診断されることなく成人され、成人期になってから変形性関節症や下肢アライメント異常、脊柱変形などにより整形外科を受診し、その時に初めて基礎疾患として骨系統疾患が存在することが判明することも少なくありません。
 今回の研究会ではヒトの移動能力に大きく関与する股関節病変に焦点をあて、『骨系統疾患における股関節病変』を主題として設定しました。LondonからDeborah Eastwood先生による特別講演(Hip disorders in the patients with skeletal dysplasia)に続き、主題セッションにおいて小児期の診断・治療から思春期・若年成人までの治療や早期症状出現の予防など、幅広い世代を対象とした議論を交わすことができればと考えております。
 オンライン開催の形式について、オンデマンド配信とライブ討論を組み合わせた形式を採用しました。これまで、本研究会から足が遠のいておられた方や初めての方にもご参加いただきやすくなっています。
 教育研修講演をお二人の先生、依藤 亨 先生〔骨系統疾患の診断と治療:小児内分泌の立場から〕、寺井秀富 先生〔骨系統疾患に対する全身麻酔下手術の注意点〕にお願し、ウェブ教育研修講演会として開催いたします。骨系統疾患の診断・治療、骨系統疾患に対する全身麻酔下手術時の注意点について、知識を整理する場にしていただければ幸いです。
 今後、学会・研究会はオンライン開催やハイブリッド開催が従来の対面開催にとって代わり主流となる時代が来るかもしれません。新時代の学術集会を見据えた研究会を目指してプログラムを組みました。皆様のご参加とご協力により本会を進めてまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。



日整会誌 94巻第10号掲載を一部修正  

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