ご挨拶

第30回泌尿器分子細胞研究会会長
住友　誠

全世界がCOVID-19禍で大変な状況ですが、2021年2月26日（金）・27日（金）の2日間、名古屋市において第30回泌尿器科分子・細胞研究会を開催させていただきます。伝統ある本研究会を藤田医科大学で主催することは大変光栄なことであり、世話人の皆様には心より御礼を申し上げます。

この度、研究会テーマを「Precision Medicineへの道しるべ」とさせていただきました。「Precision Medicine」とは文字通り訳すと「精密医療」になりますが、現実的には、ゲノム医療の内容を反映した「テーラーメード医療」としての意味合いで用いられているようです。しかしながら、がん領域を例にすると、「Precision Medicine」の象徴的存在とされる「がん遺伝子パネル検査」がその期待に応えているとは到底思えないというのが現実ではないでしょうか？本研究会に参加される泌尿器科関連の皆様は、泌尿器科疾患を含めたこのような現実を受け止めながら、日頃から基礎研究に多大なる関心を抱いている方々であると思います。そして、新たな知見を見い出そうとする力が結集してはじめて、理想的な「Precision Medicine」の実現につながるのだと思います。「明日の医療の道を切り開くのは基礎研究」であるという信念を貫き、発表者の方には、日頃からご尽力されている研究成果を堂々と発表していただくことで、研究者としての能力が一層研ぎ澄まされるのみならず、臨床医としてのレベルも向上していく機会にしていただきたく存じます。また、本研究会にはじめて参加される若い先生方には、発表者の研究に対する熱意とともに、基礎研究に携われることの本当の楽しさを肌で感じ取っていただき、次回の本研究会で研究成果を発表することを1年間の目標にしていただく機会になればと願う次第です。当日の発表内容についても、できるだけ多くの演題に接していただけるような工夫をした上で、参加する皆様をお迎えしたいと考えております。

「都市ブランドイメージ調査」によると名古屋は「最も訪れたくない街No.1」というありがたくない称号を頂戴しておりますが、日本中から集まるには好立地の都市です。会場の「ウィンク愛知」は名古屋駅からも至近ですし、近くには、ひつまぶし、名古屋コーチン、きしめんなどの名店がそろっております。お茶したい時には、スターバックスよりもコメダのほうが簡単にみつかります。教室員一同、参加者の皆様にご満足いただけるよう、精一杯の準備を進めてまいりますので、多くの演題のご応募をお願いいたします。