会長 後藤 百万
(名古屋大学大学院医学系研究科 泌尿器科学 教授)
この度、第21回日本女性骨盤底医学会を、2019年7月20日(土)~21日(日)に名古屋市にて開催させていただくこととなりました。名古屋大学泌尿器科および関連施設では、1983年から本邦ではいち早く女性腹圧性尿失禁に対する膀胱頸部挙上手術(Stamey法)に取り組み、また1999年以降はTVTスリング手術の普及、また骨盤臓器脱に対する経腟メッシュ手術(TVM)、さらに最近では腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)に積極的に取り組み、女性骨盤底障害に対する手術治療は名古屋大学泌尿器科学教室の重要な柱のひとつとなっています。また、様々な症状を引きこす下部尿路機能障害の臨床・研究は当教室の最も得意とする分野です。その意味で、今回日本女性骨盤底医学会を名古屋大学で主催させていただきますことは、大変光栄と存じ、会員の皆様に心より御礼申し上げます。
女性骨盤底臓器の機能的あるいは構造的な異常は、骨盤臓器脱、腹圧性尿失禁、骨盤痛症候群、過活動膀胱、低活動膀胱、便失禁などの多彩な病態により、生活の質を著しく障害する症候を引き起こします。日本女性骨盤底医学会はこれらの疾病に対して産婦人科医、泌尿器科医、外科医、看護師、理学療法士等多くの医療従事者が集い、骨盤底疾患に対するよりよい診断・治療法の研究や啓発による女性のQOL向上を目指しています。
女性骨盤底障害治療の発展には、創薬、医療機器、治療技術すべてのイノベーションが必須となります。そこで、今回の第21回医学会のタイトルを「女性骨盤底障害〜機能と構造の統合的修復をめざして」とし、薬物治療、外科的治療、理学療法による機能と構造の集学的修復について有用な知見を創出し、超高齢社会を迎える本邦でニーズの高まる女性骨盤底医学の発展に貢献したいと思います。
本学会は、名古屋大学泌尿器科の後藤が会長として開催させていただきますが、本領域における本邦のオピニオンリーダーであり、名古屋大学関連病院の部長である加藤久美子先生(名古屋第一日赤病院女性泌尿器科)、成島雅博先生(名鉄病院泌尿器科)に副会長として陣頭指揮をお願いしております。多数の先生方にご参加いただき、実り多い学会になるよう、事務局一同心からお待ち申し上げております。