第17回医療の質・安全学会学術集会
大会長 寺井 美峰子
(公益財団法人 田附興風会 医学研究所北野病院 看護部長)
このたび、第17回医療の質・安全学会学術集会を、2022年11月26日(土)~27日(日)の2日間にわたり、神戸国際展示場2号館、神戸国際会議場において開催させていただくこととなりました。
本学会は2005年に設立され、その目的は「広く英知を結集して医療の質・安全の向上に資する科学的、実践的な研究を推進し、国内外における研究成果の交流・普及を促進することを通じて、医療の質・安全に関する学術基盤の確立と発展に寄与し、もって患者本位の質と安全を提供する新しい医療システムのあり方を実現すること」(定款第3条)です。学会員数は3000人を超えるまでに成長しております。
学術集会のテーマを「現場から生まれる医療の質・安全の知~改善と変革へつなげるために~」としました。現場の医療安全管理者や医療安全に携わっている方々にとって関心が高いインシデントレポートおよび医療安全のための情報収集と分析、患者確認や転倒・転落、薬剤・医療機器の安全管理、安全文化や質指標などについて、学術集会の場に、医療の質と安全を向上するための「知」である最新の知見や研究成果、取り組み結果が結集し、交流・普及されることを願っています。
そして、対面している問題や課題を解決に導き、さらなる質・安全の向上を目指すためには、得られた「知」を活かした改善と変革が求められます。複雑化、高度化しつつあり、多職種が関わる医療現場での改善・変革には困難を伴いますが、これを成し遂げるための方策や取り組み方についても共有する機会になればと思っています。また、学術集会ならではの医療以外の分野から学ぶ企画も設けたいと考えています。
新型コロナウイルス感染症の影響をみながらではありますが、神戸の会場で開催できるよう準備を進めています。第15回学術集会の木村大会長、第16回の矢野大会長が築いてこられたオンライン配信とオンデマンドという新たな方法も受け継いで、皆様のニーズに応じた魅力的な学術集会になるよう開催方法を模索し、工夫していきます。
本学会の大きな特色は、多様な分野の実務者や研究者が参画していることです。医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、臨床工学技士、診療情報管理士、医療情報技師、医療事務職員等のまさに多職種であり、さらに心理学や教育学、工学といった分野の研究者等の参画があります。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
ご参加いただいた皆様の交流を通して、より有意義な学術集会になるよう、辰巳陽一副大会長、山口悦子プログラム委員長、甲斐由紀子副委員長、中村京太学術集会運営委員長と共に準備に邁進して参ります。