会頭挨拶
第127回日本小児科学会学術集会
会頭 大賀 正一
(九州大学大学院医学研究院成長発達医学分野)
~ Bright futures to your birth! ~
君の誕生に輝かしい未来を!
日本小児科学会学術集会は全国6ブロックで順番に開催されます。2024年は九州・沖縄地区代議員会のご推薦を頂き、第127回日本小児科学会学術集会の会頭を仰せつかりました。九州大学としては約20年ぶりの担当となり、教室開講120周年を迎え光栄に存じます。
COVID-19はこどもたちの環境を激変させました。出生数減少は加速し、保育や学校教育、職場環境の変化から多くの課題に直面しました。戦争と災害も世界中の人々の暮らしに影響しています。私たちは正確な情報とワクチンの重要性を実感し「小児科学の原点とは“感染と遺伝”の間で成長と発達をとげるこどもたちを守ることである」と再認識しました。この3年間、からだの距離(social distance)をon-lineでカバーし、こころの距離を最適化する方法も整ってまいりました。同時に、ゲノム医療、免疫細胞療法、遺伝子治療が実装され、分子標的療法も進歩し、新生児スクリーニング、出生前診断や生殖医療が拡大しています。 進化するAIの社会実装も進んでいます。こどもたちの誕生に輝かしい未来を約束する医学を実現することが私たちの使命です。人類に刻まれる進化の歴史を意識しながら、こどもたちのadvocatorとしての学術活動が期待されています。“生命(いのち)を育む”という命題を、小児医学と医療から国際的に考え、on-lineとon-siteを駆使して国内外の演者と議論を深めたいと思います。学会場は海に近い福岡市の中心地です。コロナ禍を経験した私たちが、大陸を望む博多湾から世界を見渡して、“その子の誕生の輝かしい未来への思い”を共有する機会になれば幸いです。
会期は2024年4月19日(金)から21日(日)の3日間、会場はヒルトン福岡シーホークです。ポスターにこどもたち一人一人の願いを込めました。こころを繋ぐハイブリッド開催で、多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。