日本泌尿器腫瘍学会第11回学術集会
会長 杉元 幹史
香川大学医学部 泌尿器科学
日本泌尿器腫瘍学会第11回学術集会
会長 都築 豊徳
愛知医科大学医学部 病理診断学講座
このたび、第11回日本泌尿器腫瘍学会を主催させていただくこととなり、誠に光栄に存じます。本学会は、ちょうど10年前の2015年に、泌尿器悪性腫瘍の診療が高度化・複雑化する中で、従来の泌尿器科医のみでの対応ではなく、腫瘍内科医、放射線治療医、病理医、さらにはコメディカルスタッフを含む多職種によるチーム医療の必要性が高まったことを背景に設立されました。この10年の間に、学会の果たすべき役割はますます重要となり、その活動は着実に成熟していると実感しております。
今回の学会のテーマは、「叡智との邂逅、先々の先を取る!」でございます。様々な分野で新たな情報・知識(叡智)がもたらされ、これらが我々の実臨床に大きな影響を与えております(邂逅)。「先々の先」とは、武道における最も高度でエレガントな勝利の方法を指し、相手の動きが起こる前にその心の動きを察知し、先手を取って攻撃を仕掛けるという戦法でございます。癌治療においても、このようなメンタリティと心構えが重要であると考え、そのため本学会のテーマに選定させていただきました。
近年、癌治療は飛躍的に進歩しており、少しの油断でも遅れを取る可能性がございます。そこで、今回の学会の目玉企画の一つとして「Updateシリーズ」を設けました。このセッションでは、前立腺癌、尿路上皮癌、腎癌に関する最新の重要な論文を解説するとともに、ここ一年間の診断および標準治療の最新知識をアップデートできる内容をご提供いたします。
本年も例年通り、第63回日本癌治療学会学術集会(横浜)の最終日から2日間、2025年10月18日(土)および19日(日)に、パシフィコ横浜にて開催いたします。
海外からは、泌尿器分野における世界的な権威を誇る演者をお招きいたします。MDアンダーソン癌センターからは膀胱癌の権威であるAshish Kamat教授、病理分野ではEAUガイドライン前立腺癌病理責任者のエラスムス大学Geert J.L.H. van Leenders教授及び膀胱癌病理責任者のウィーン医科大学Eva Maria Compérat教授を招聘する予定です。また、今回から新たにEAUOS(East-Asia Urological Oncology Society)セッションを設けることとなりました。EAUOSは2014年に韓国、日本、台湾の泌尿器科癌専門家によって設立された団体であり、日本泌尿器腫瘍学会のカウンターパートにあたります。韓国および台湾からのゲストスピーカーをお招きする予定ですので、ぜひ積極的に親交を深めていただければと存じます。
その他にも、多くの工夫を凝らした企画を用意しており、必ずや皆様に満足していただける学会になると確信しています。ぜひとも多数の先生方にご参加いただき、お楽しみいただければ幸いです。