>第111回日本病理学会総会

会長挨拶

会長:横崎宏

第111回日本病理学会総会
会長 横崎 宏
神戸大学大学院医学研究科 病理学講座 病理学分野 教授

このたび、第111回日本病理学会総会を4月14日(木)から16日(土)の三日間、神戸市ポートアイランドの神戸コンベンションセンターにおいて担当させていただくことになりました。長い伝統を誇る日本病理学会総会の歴史の中で初めての神戸大学担当による兵庫県での開催となり、誠に光栄に存じます。

日本病理学会には病態解明を追求する基礎医学研究者、最前線の臨床現場で患者治療の礎となる正確な病理診断を志す病理医、両者を繋ぐゲノム情報を加えた病理診断・治療選択体系の構築に努める病理学研究者、そしてこれらの活動に高度な技術と専門知識を提供する病理系医療技術者など、多彩な学術・医療背景を持った会員が所属しています。このような各領域の会員がその専門性を深めるプログラムとともに、全員が一致して本学会の目標である「病理学に関する学理及びその応用についての研究の振興とその普及を図り、もって学術の発展と人類の福祉に寄与する」ことを将来への展望を含めて討議、確認する機会を提供できる学術集会を目指し、「病理学 時代を超えた課題、次代を見据える課題」を本総会のテーマに掲げさせていただきました。

時代を超えて議論すべき課題として日本人の死因別死亡数の上位を常に占める悪性新生物と感染症を、次代を見据える課題としては形態学のデジタルイノベーションとゲノム医療を取り上げました。三日間の総会午前中第1会場において、それぞれ腫瘍、感染症、デジタルイノベーションを総合的に討議するシンポジウムとエキスパートによる特別講演を配置し、議論することにより現時点での総括と将来への展望を深め、これからの病理学がなすべきことを浮き彫りにしたいと思います。ゲノム医療に関しては第二日目午後第1会場において、その中核を担う分子病理専門医の役割と人材育成を検討するワークショップを開催します。

本総会における宿題報告は、森井 英一 教授(大阪大学)、田中 秀央 教授(京都府立医科大学)ならびに菅井 有 教授(岩手医科大学)がご担当になり、これまでに展開、蓄積されてきた病理学研究の集大成を報告されます。コロナ禍の影響で2年間実施できなかった日本病理学会国際交流委員会企画である日英、日欧ならびに日中交流プログラムは現地と神戸を結ぶハイブリッド形式で再開・実施いたします。各臓器における最新の研究・診断に関する話題提供については、19テーマの臓器系統別ワークショップとして本総会学術プログラム委員会に企画していただきました。一般演題(口演・ポスター)は臓器系統別に分類し、それぞれのワークショップと重なりがないよう会期中に配置しています。なお、系統的病理診断講習会、臓器別病理診断講習会、分子病理診断講習会、剖検講習会を含む診療領域別講習ならびに専門医共通講習会(共通講習)については本年6月15日までオンデマンド配信いたします。

一般演題とシンポジウム、ワークショップ等の企画を通じて若手研究者・病理医がのびのびと学術成果を発表でき、指導的立場の病理医・病理学研究者の学術的討議ならびに若手への刺激の場を設けるとともに、国際化に対しては発表スライド・ポスターを原則英語記載とし、英語での参加登録も可能にすることにより、広く全世界からの病理医・病理学者に参加を呼びかけたいと考えています。また、将来の病理学を担うことが期待される学部学生、初期研修医が躊躇することなく学術集会に参加・発表することのできる環境を整備する予定です。これらのプログラムを通じて、本総会の成果が次代の病理学を方向付ける礎となれば幸いです。

4月の神戸は気候も温暖で学術的討議、情報交換をするには最適の季節です。本総会は原則現地開催を目標に準備を進めて参りましたが、昨今の状況を鑑みリモートでも登壇、議論が可能なハイブリッド形式での開催といたします。願わくは会期までに現状が沈静化し、一人でも多くの会員に神戸にお越しいただき、これまで、そしてこれからの病理学を考えることができる様な総会となりますことを祈念します。

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