第111回日本消化器病学会総会

会長挨拶

会長:金井隆典

第111回日本消化器病学会総会 会長
金井 隆典
慶應義塾大学医学部内科学(消化器)

この度、第111回日本消化器病学会総会を2025年4月24日(木)~26日(土)の3日間、新宿区の京王プラザホテルを会場として開催させていただきます。日本消化器病学会は1898年に創立され、1899年に行われた第1回総会の開催から2014年には100回を数え発展を続けております。このような伝統ある本学会の第111回総会会長を拝命し大変光栄に存じております。当教室としては、2011年(平成23年)に日比紀文教授が第97回総会を主宰されて以来14年ぶりの開催であり、教室員共々、身の引き締まる思いで準備を進めております。

本総会のメインテーマは、「臓器がつなぐ消化器病学」と致しました。消化器病学は、消化管、肝臓、胆膵を含む幅広い臓器を対象とし、分野も多岐にわたります。各臓器が特徴的な構造や機能を有しており、診断や治療においても、そのような特性に合わせた独自の発展を遂げてきました。各臓器は密接な関連を有しており、基礎から臨床に至るまで、統合的なアプローチが重要です。そのため、単一の専門分野にとどまらず、臓器同士のつながりを意識した横断的な視点が不可欠だと考えています。神経系、内分泌系、免疫系、循環系、代謝系などを介した消化器系の臓器横断的なクロストークは、人体の恒常性維持や疾病の形成に重要な役割を果たしており、消化器病学の発展は人類の健康を考える上で欠かせません。本総会では、臓器・分野横断的な観点から、改めて消化器病学を議論いただき、新たな診断や治療に結びつく知見を創出する場となることを期待しています。

本総会では特別・招聘講演に加え、特別企画として「各世代からみたPhysician Scientist育成への提言」などを予定しております。国際セッションのテーマは、”Advances in gastrointestinal and hepato-pancreato-biliary immune-mediated inflammatory diseases”と致しました。主題セッションはシンポジウム15題、パネルディスカッション15題、ワークショップ15題の合計45題とし、国際化への取り組みとして、シンポジウム4題を英語セッションとする新しい試みを企画致しました。第111回日本消化器病学会総会の企画・プログラム作成にあたり、本学会の役員・評議員の先生方、プログラム委員の先生方に多大なるご支援をいただきましたことに、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

本総会のポスターには、私の敬愛する日本画家である田中一村氏の作品「初夏の海に赤翡翠」をご親族の許諾を得て使用させていただきました。田中一村氏は、私の祖父の故郷であり、私のルーツでもある奄美大島に50歳で移住し、奄美大島の自然を鋭い観察と画力で力強くも繊細な花鳥画として描き、独特の世界を作り上げました。田中一村氏が新たなモチーフに出会い、ストイックに自身の絵画を追求した姿勢には、我々研究者とも通じるものがあると感じています。本総会が皆様の次なるモチーフの発見につながるきっかけとなれれば幸いです。

総会事務局

慶應義塾大学医学部 内科学(消化器)
〒160-8582
東京都新宿区信濃町35

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コンベンション事業部 事業推進部
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